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【面接技術】何をしたいか掘り下げる場合は周辺情報にもアンテナを張ろう

こんにちは。現役社会福祉士のタカヒロです。

先日こんなツイートをしました。

うちの老健は入所前に必ず本人・家族へ意向を確認するのだが、よく本人の意向で見受けられる「よろしくお願いします」という一文のみの場合。なぜこの一文なのか問うたら「これしか言わなかったから」と。いやいや、それは君の面接技術が低いからだよね。意向→目標設定になることの大切さに気付こう。

どのような目標を設定するにも、当事者(利用者)は必ず存在します。この利用者の意向を無視して目標設定はあり得ないと僕は考えています。

しかし、単に意向を聞けばいいというわけではありません。その意向がどのような意図で発せられているのか、丁寧に聞き、一緒に掘り下げていく必要があります。

社会福祉士は「相談援助職の専門家」であるため、利用者が自らの意向を理解し、自己実現に向けて歩んでいく過程と結果を支援することを最大の仕事として捉えています。

では、どのように利用者自ら意向を理解できるのか?

上のツイートを例に考えてみます。ツイートでは利用者が「よろしくお願いします」とだけ発言していることになっています。おそらく施設入所に伴いそのように発言されたと推測されますが、そもそも入所することが目的ではないはずです。

『入所することでどのような生活または心身の変化をイメージするか』、ここが利用者から表出できるよう、社会福祉士として働きかけないといけないところです。

「よろしくお願いします」だけでは利用者の生活が全く見えません。利用者が何を望んでいるのかが聞こえてこない。まさに当事者不在の支援(という名の調整)になっていますね。

そこで、利用者の意向を掘り下げるための方法についてお伝えします。それは具体的に聞いていくことです。例えば下記の通り。

トイレ動作に軽い介助が必要な利用者。自宅は一人暮らし。利用者は家に戻りたいと言っている。そこで社会福祉士としては「トイレ動作を一人でできるようになったら家へ帰れそうですか?」と利用者・家族へ確認。双方納得することで、この利用者の意向が「トイレ動作を一人でできるようになるまで入所でお願いします」となる。

社会福祉士は、単に利用者や家族から発せられた言葉をそのまま「意向」として捉えるのではなく、発せられた言葉の裏側や深部に語りかけることが必要です。

「なぜ、そう思うのか?」
「なぜ、その言葉が出るのか?」

このように「なぜ?」を常に持ち、利用者や家族が語りやすいように質問していくことも、必要な面接技術となっています。

この面接技術は、相談援助場面だけで活用することはありません。一般の生活の中でも活用はできます。おそらく皆さんも知らず知らずのうちに、会話を通して「なぜ?」と問うていると思います。

そこには、利用者の言葉だけではなく、心身状態・家族関係・環境などが起因していることが多くあります。言葉の深部を掘り下げていくには、これらの周辺情報にアンテナを張って聞いていくことが効果的です。

よって、意向を確認するには利用者の言葉をそのまま聞くのではなく、周辺情報を合わせて掘り下げていく。そして、掘り下げた意向は利用者や家族が理解できるような言葉に変換し、共有することが必要です。

この技術は一般生活でも使える技術なので、興味がある方はお気軽にコメントをいただけると詳しくお答えいたします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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