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【業務分担】人の強みを見つけると自分の負担が減る【老健の役割から考える】

こんにちは。現役社会福祉士のタカヒロです。

先日、Twitterで知り合った介護老人保健施設の支援相談員たちとZoomでお話しました。

話の中心は「業務分担について」。

業務分担についてお伝えする前に、施設の違いについて述べたいと思います。

介護老人保健施設(以下、老健)は、特別養護老人ホーム(以下、特養)と違って「終の棲家」とは原則なりません。

終の棲家とは?

簡潔に説明すると、入所したら死ぬまでその施設で生活すること。要は看取りまで特養内で行うことです。まだ全体の80%近くの方が、死に場所は医療機関となっています。

しかし、特養の場合は看取りを前提としている施設が多いので、入所前後に利用者または家族から、最期の過ごし方について何回も丁寧に聞き取りを行います。これを「アドバンス・ケア・プランニング~Advance Care Planning~(通称、ACP)」と言います。

国のガイドラインも策定されているのでご参照ください。

さて、話を施設の違いに戻します。

特養は上記のように終の棲家として機能していますが、老健はそもそも在宅復帰施設であるため、看取りを前提とはしていません。

老健は5つの役割があります。下記の通りです。

1.包括的ケアサービス施設
利用者の意思を尊重し、望ましい在宅または施設生活が過ごせるよう チームで支援します。そのため、利用者に応じた目標と支援計画を立て、 必要な医療、看護や介護、リハビリテーションを提供します。

2.リハビリテーション施設
体力や基本動作能力の獲得、活動や参加の促進、家庭環境の調整など 生活機能向上を目的に、集中的な維持期リハビリテーションを行います。

3.在宅復帰施設
脳卒中、廃用症候群、認知症等による個々の状態像に応じて、多職種から なるチームケアを行い、早期の在宅復帰に努めます。

4.在宅生活支援施設
自立した在宅生活が継続できるよう、介護予防に努め、入所や通所・訪問 リハビリテーションなどのサービスを提供するとともに、他サービス機関と 連携して総合的に支援し、家族の介護負担の軽減に努めます。

5.地域に根差した施設
家族や地域住民と交流し情報提供を行い、さまざまなケアの相談に対応します。 市町村自治体や各種事業者、保健・医療・福祉機関などと連携し、地域と一体となったケアを積極的に担います。また、評価・情報公開を積極的に行い、サービスの向上に努めます。

このように、老健は在宅復帰を前提に機能しているので、入所と退所における支援が必要となります。入所・退所が両輪となっているわけですね。

そこで課題になるのが「退所数を増やすとベッド稼働率が下がる」という問題です。老健は在宅復帰率が報酬上切り離せない項目であるため、報酬を上げるなら在宅復帰率を50%維持しなければなりません。

よって、在宅に戻る利用者を退所する方向で支援するのですが、同時に入所数も増やさなければ、出ていくばかりでベッドが埋まりません。そうなると職員の給与に直結します。ここが悩ましいところですね。

では、冒頭に戻りますが、支援相談員仲間と話した「業務分担をする」ということについて。

他の老健が同じやり方とは思いませんが、少なくとも僕が知り合った老健では、同じ支援相談員が入退所支援を行っています。ここで発生する問題としては、「入退所のバランスが取れない」ということ。

入所数を増やすことは簡単にはいきません。黙っていたら相談が来るかと言われると、多くの老健が「NO!」と答えるでしょう。どの老健も居宅介護支援事業所や医療機関へあいさつに行ったり、系列機関へ相談するよう依頼したり、あの手この手で入所数を増やそうとしている様子です。

このように入所数を増やすことに尽力する上に、退所数も一定数維持し、そして自宅に戻る利用者を退所支援するとなると、なかなかハードな業務となります。正直業務が追い付かない。僕も入退所支援を一人で行っていますが、時間に追われる毎日です。

そこで支援相談員仲間と話したのが「業務分担をしよう」ということでした。

老健には介護支援専門員(通称、ケアマネジャー)の配置基準があります。僕の施設にも当然ケアマネジャーがいます。ケアマネジャーの役割は施設生活をする利用者に向けて目標を定め、各職種の取り組みを確認しながら利用者の生活全般のマネジメントを行うことを指します。

このケアマネジャーに退所支援の一翼を担わせたらどうかと考えています。しかし、退所支援は外部機関や家族とのやり取りが重要になるので、高度な面接技術やアセスメント、社会資源の提案・調整能力が求められます。

まさに一朝一夕にはいかないわけです。

しかし、この考えがよくないと気づきました。要は、「僕しか退所支援ができないだろう」という思い込みです。

このようなおごりが、自分の業務負担を誘発していることにもつながります。もう少し同僚を信じる必要がありますよね。

この考えは他の支援相談員も共通しており、みんな「改める必要があるな」と考え直したところでした。どのように同僚の力を発揮させるのか、については次回の記事で考えたいと思います。

皆さんの中にも、「同僚や部下を信じきれていないな」と感じる方はいたのではないでしょうか?

そのような場合は、いま一度、考え直してみてください。そして、同僚や部下の力を信じるためには、その人たちの強みを見つけることです。

強みを見つけると、おのずと信じられるようになり、必然的に仕事を任せていくように思えます。まだ僕も中途半端な考えなのでうまくお伝え出来ませんが、上記のようにキーワードは「強みを見つける」だと考えます。

では、今回はここまで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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