30年着れる服 30年聴ける曲
ファッションにも音楽にもトレンドというものがあります。
そしてトレンドというものは気分屋で、ころころ変わります。
ただ、長いこと愛されるものもあります。
例えばThe BeatlesやCarpentersなどのアーティストは今から約50年前の音楽になります。
彼らの音楽が世に出てから30年後、ちょうど2000年代に起きたのがロックンロールリバイバル。そこで頭角を表したのがThe Strokesでした。
彼らが起こしたムーブメントはあっという間に世界に拡がり、今活動する日本のバンド達にも大きな影響を与えています。
実家の近くに行きつけの服屋さんがあります。そこはモッズなどUKの伝統ある音楽やライフスタイルなどを好むお客さんが集まるイケてるお店で、店員さんもみんなファッションとロックの歴史は一通り熟知しています。
自分はよくそこに行き、音楽や歴史などを教えてもらったり、ちょっと奮発して高い服を買ったりしていました。
モッズも1950年代後半から1960年代中頃にイギリスで流行したファッションです。最初は若い労働者の間で流行っていたのですが、徐々に影響を受けたアーティストなどが着用したりすることで服の機能性も高まっていきました。
冬になると大学生などがこぞって着始めるモッズコート(パーカー)の語源もここから来ています。また、有名なブランドでいうとFred Perryなんかもモッズカルチャーをきちんと引き継いでいます。
高価ながらも30年以上に渡って愛され、着れら続けているブランドです。
そう言ったカルチャーを知り、トレンドのものをたくさん買うのではなく、とりあえず試着を繰り返して、愛せると思ったものは高価でも買おう、という思考に変わっていきました。
そんなカルチャーを教えてくれた服屋の店員さん。ある日、珍しくMVのリンクをSNSに投稿していました。
かっこいいんだろうけど、自分に合うかな、とまずは試着する感覚でそのリンクを開いてみました。
鳥肌が立ちました。そして他の曲もすぐにダウンロードしました。
音の作り方、英語の発音、無駄な力が入ってない立ち振る舞いなど、まさにガレージロックそのものでした。
The StrokesやArctic Monkeysなどがロックンロールリバイバルを起こしてから20年の時が経とうとしています。そして彼らの年齢は20代後半くらい。
彼らはそういったレジェンドを聴いて育ってるんです。
そして彼らが満を辞してリリースした1stアルバム『Say Goodbye to Memory Den』
なんとThe StrokesのギタリストであるAlbert Hammond Jr.とThe Strokesの作品にプロデューサーとして関わるGus Obergの2人が全曲プロデュースを務めたんです。
日本の若手バンドの1stアルバムですよ?
マークザッカーバーグが日本の若手ベンチャー企業のプロデュースを行います。って言ってるようなものですよ。日本のアーティストが若手をプロデュースすることはあっても、海外のアーティストがこんなPOPで溢れている日本のアーティストをプロデュースするなんて。びっくりしますよね。
今活動をし始めて、10年後は2030年。ちょうどロックンロールリバイバルが起きて30年後なんです。The Beatlesが活動を始めたのは1957年ごろとされていて、実質解散をしたのが1970年。そしてThe Strokesが活動を始めたのはそれから約30年後の1999年。そこから約20年が経ち、今DYGLが世界的に活動をし始めている。2030年にはもしかしたら世界を代表するバンドになっているかもしれません。そして、きちんと次の代に良い影響を与えてもらって第二のDYGLが生まれることを願ってます。
DYGLは今、ロンドンを拠点に制作活動を行なっています。本場で刺激され、それを音にして曲にしています。そして我々は新鮮なまま、その曲を聴くことが出来ます。昔は海外の音源を聴くには輸入が必要でした。その時間を待つことなく、リリースされたらすぐに聴くことが出来ます。
ストリーミングサービスってすごく偉大だと思います。音源を買う文化が無くなったとか、そういう意見もあります。その気持ちもすごく分かります。あのワクワク感、ストーリー性が聴いた時の感動を増幅させる。間違いありません。
ただ、音源が買えなくなったわけではありません。欲しいなら買えば良い。なんなら本当に音源が欲しいアーティストを見つけるためにストリーミングサービスがあるのかもしれません。
最後になりますが、「結局トレンドがあっても愛されるものは長いこと愛される」ということなんです。そして愛すべきものを見つけやすい時代に我々は生きている。本当に愛せる音楽やファッションを見つけて、今日も自分を着飾っていきましょう。
最後に新アルバム、『Songs of Innocence & Experience』をどうぞ。
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