言語外コミュニケーションvol.2 言葉の矢印

《Vol.1から引用》
私たちは日常で言葉、動作、仕草、視線以外にも、雰囲気、気配、距離の取り方、人や物との間にある空気感、言葉の裏にある距離感といった物理的な距離の取り方、心理的な距離感の取り方・言葉の距離感など不可視でありながらも感覚的に伝わるものを多く用いています。
これらを私は言語外コミュニケーションと呼んでいます。
 
言語外ですので言葉で伝えるのは当然当て嵌まりませんし、動作・仕草(説明的な動きをする、貧乏ゆすり、机を指先でたたく、顎下に指を当て視線を外すetc)、視線で伝えるのもではなくボディランゲージといった言語性を持った伝達方法ですので当て嵌まりません。
 
プロセニアムで客席が400とか500を超えるホール(以下、大劇場)では、こういった不可視のものは伝わりづらいので見落とされるのも仕方ない面もありますが、小劇場ではこういったものもお客様は感じ取っていると考えておいた方がよいと思います。
 
また、たとえ大劇場であってもこれら不可視の言語外コミュニケーションを用いると、他者の行動に影響を与えることができます。こちらが適切な心理的距離感・関係性・言葉の距離を用いて接すると、相手は『作り』に頼らず自然な状態で台詞が出てきたり、動けたりします。自分のためだけでなく相手のためにもこの技術は身につけておくと有効です。
 
また、たとえ大劇場であってもこれら不可視の言語外コミュニケーションを用いると、他者の行動に影響を与えることができます。こちらが適切な心理的距離感・関係性・言葉の距離を用いて接すると、相手は『作り』に頼らず自然な状態で台詞が出てきたり、動けたりします。自分のためだけでなく相手のためにもこの技術は身につけておくと有効です。


今回は、私が言葉の指向性と呼んでいる、話す相手をちゃんと捉えるための遊び半分の練習方法です。
 
これも私たちが日常的にやっているコミュニケーションの一つです。

『誰』に向かって話しかけるということは、顔を向けていればOKでも、その人の方向に話しかければOKでもありません。
 
場合によっては、その人のいる方向に話す場合もありますが、話す対象が特定の人物であり、どこにいるのかを自覚できているとき、音は当然周りの人にも届いていますが、言葉はその人だけに向けて喋っています。

これを意識的に使えるようになる練習方法としてわかりやすいのが今回の練習方法です。

基本として、話しかけられる側2人 or 4人、話す人、観客役(1人以上)を1グループとして行います。
人数が多い場合はグループ分けして行ってください

【準備するもの】
A、B、C、D、客席全体と書かれた5種類のくじ(紙)を各1つずつ

【概要】
客席に対して正面を向き、指示された特定の相手に向かって台詞を発する。

人の配置は図のようにします。

配置の図解

最初はA-B間・C-D間は60cm、B-C間は90cm程度離した方がやりやすいと思います。
また話す人と話しかけられる側の前後の距離は1m程度あると良いと思います。
話しかけられる側が2人の場合はAとDの位置に立ち、間隔を1mほどに狭めてもOKです。

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