見出し画像

不動産における銀行の評価の仕方とは?

皆様お盆休みのご予定はもうお決まりですか❓

東京にお住まいの方はコロナウイルス感染者増加の影響で他県への外出が難しいみたいです😭

最近暗いニュースが多いので、せめてこの雨が早く終わって気持ちの良い天気になって欲しいですね(^^)

さて今回は不動産における銀行の評価の仕方を解説していきたいと思います。

まず銀行が不動産を評価する代表的な方法とし3種類あります。

「積算評価」・「収益還元評価」・「取引事例比較法」

この中でも銀行が特に重きを置くのは「積算評価法」になります。

積算評価法とは、「 土地の積算評価額と建物の積算評価額を合算して不動産の価値を算出する 」方法です。

土地の積算評価額の算出方法は、その土地の「 前面道路の路線価×面積 」が基本となります。
路線価とは、毎年7月に国税庁が公表する相続税や贈与税の計算基準となる平米当たりの単価です。

地方や郊外の不動産の場合、前面道路の路線価がない所も多くあります。
路線価のないエリアの場合は、近隣の公示地価や固定資産税評価額等を路線価を参考にすることもあります。

公示地価とは、国土交通省が毎年3月に公示する標準地の価格のことです。
全国からそのエリアを代表する標準地を選定し、価格を公示することで、土地の取引価格の目安となるのです。

また、公共用地の取得や補償金額の算定基準にもされます。

固定資産税評価額とは、区市町村が固定資産税を賦課するための基準となる評価額です。
現在は、路線価は公示価格の80%、固定資産税評価額は公示価格の70%を基準に決定されています。

「路線価×面積」での積算評価額は、道路に面している正方形に近い長方形かそれに類する形状の土地の場合にあてはまります。
ただ、その土地が角地の場合は、建ぺい率が緩和されたり、採光が取りやすかったりして、利用価値が高くなるので評価額は増額補正されます。

逆に、極端に細長い長方形の土地や旗竿地の場合は、建物を建てる時に規制があったり、建てる建物に制約が多くなったりするので、評価額は減額補正されてしまいます。

また、崖地や急斜面が敷地に含まれている場合、その部分の評価がゼロに補正されることもあります。
どれぐらい補正されるかは、銀行により基準がまちまちです。

算式にすると、
○ 土地積算評価額=路線価×土地面積×個別補正
となります。

次に建物の積算価格の算出方法について説明します。まずは算式に表すと次のようになります。

○ 建物積算評価額= 再調達価格×建物延床面積×( 耐用年数―築年数 )/耐用年数

再調達価格とは「 評価する建物を今、新築した場合の建築費用の平米単価 」です。

再調達価格は、銀行が独自に決めるものなので、各銀行によって異なります。
また、耐用年数も国税庁の定める法定耐用年数と銀行が独自に定める経済的耐用年数があります。
経済的耐用年数は、法定耐用年数より短めに設定されていることが多いです。

実際には耐用年数を超えても十分に使用できる建物は多く存在します。
しかし、築年数が経ってくると、大規模修繕や室内リフォームに多額の費用が掛かるようになりますのでその点も踏まえて、銀行は耐用年数を融資する際の指標としています。

このようにして算出された「 土地積算評価額 」と「 建物積算評価額 」を合算したものが「 積算評価額 」となります。

では、この銀行が算出した不動産の積算評価額は、今時点での不動産の実勢価格( 取引価格 )と同じでしょうか? と思われがちですが、結局のところ実際の売買事例や建築コストなどから考えると同じであることの方が稀といえます。

土地については、都市部の中心になればなるほど、実勢価格のほうが積算価格より高くなる傾向があります。東京都心では、実勢価格が積算評価額の数倍になることも珍しくありません。逆に、地方・郊外になるほど積算価格のほうが実勢価格より高くなる傾向にあります。

また建物についても、再調達価格の単価で建てられるとは限りません。地方ではそれに近い単価で建てられる場合もありますが、大都市では再調達価格より何割も建築コストが掛かる場合もあります。

このように、土地についても、建物についても、都市部のほうが地方・郊外に比べて実勢価格が積算評価額に比べて高くなる傾向にあります。

都市部    実勢価格  > 積算評価額
地方・郊外  実勢価格  < 積算評価額

この実勢価格と積算評価額の相違のロジックを理解することが、融資を使って不動産を買い進めるときのポイントとなります。

皆様のご参考になれば幸いです^^

いいなと思ったら応援しよう!