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12.こんな時どうする?③メンター制度が形骸化してしまったら…

最初の数回は、珍しさもあって盛り上がっていた面談も、月日の経過とともに、形骸化してしまうことがあります。メンターが「最近どう?」と訊いても、メンティが「まぁ、ぼちぼちやってます」と答え、「何か話したいことはある?」と訊いても、「いえ、別に…」と会話が盛り上がらず、「じゃぁ、今日はこれで…(終了)」と、面談開始から5分で「じゃぁ、またね」となってしまうことも、あります。

面談を続けるって、実は結構、難しいことですよね

こうした事態を招かないためには、人事・事務局から、面談の仕組みをしかけておくことが必要です。

■改めて、メンターの役割を考える(メンターは「相談者」だけではない)

そもそもメンターとは、何も、「相談に乗る」だけが役割ではありません。雑談をしてもいいし、共通のテーマについてメンター・メンティで互いに意見を言い合ってもOK。様々な切り口でのコミュニケーションを通じて、互いのことを知り、関係性を育み、その延長線上で、多面的に組織のこと、互いの部署のこと、互いの仕事のことを知るのもOKです。

■メンターとして、メンティのキャリアの棚卸を手伝ってみる

例えば、メンターには、特段相談がない場合にはメンティに対して、「前回の面談から今日までを振り返って、“仕事における成功体験”を思い出すように促して」と依頼しておくとします。そうすると、「別に相談はないけど…、そういえば、初めて上司に褒められました」とメンティがエピソードを語り、メンターが「すごいじゃん! やったじゃん!」と盛り上がることもできます。

続いて、事前に依頼しておいたとおりに、「逆に、失敗体験はある?」とメンターが質問し、メンティが「実は…クライアントを怒らせてしまって、OJT指導者から叱られました…」と告白すれば、「どうしたら良かったと思う?」「次は何を気をつける?」と反省と改善を促す会話に発展させることもできるわけです。

こんな具合に、メンターに“話の切り口”を与えておき、面談で無言になってしまう事態を防ぐこともできます。このあたりは、事前の研修でメンターに伝えておくのも良いかもしれないですね。

■事務局が話題を提供するのもアリです

あるいは、事務局からメンターに『課題』を課すのもアリです。

例えば、「4回目の面談では、具体的な悩み相談がない場合には、メンター・メンティともに、自分の長所と短所を紹介しあうこと」「5回目の面談では、組織の課題について話し合うこと」と言い渡しても良いでしょう。

人は与えられたテーマがあれば、事前に話すことや内容を準備することもできるものです。また当日、面談で時間を使って話すこともできます。どこまでお膳立てする必要があるかは検討する必要があるかもしれませんが、「何か話したいことある?」「別に…」「じゃぁ、終わりね」で面談を切り上げてしまうよりは、良いのではないでしょうか。

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