『松前藩正議士文書』の信憑性について~『文書』中箱館戦争緒戦に関する記述からの考察っぽいもの~
『松前藩正議士文書』という古文書がある。
幕末のどん詰まり、元号が明治に変わる目前の慶応4(1868)年8月、松前藩において下国東七郎らを首魁とした不平藩士らによるクーデターが勃発。それまで藩政を掌握していた松前勘解由ら旧臣らが粛清され、体制が一変する。このクーデターの原動力となったのが『正議隊』である。
『松前藩正議士文書』は、この『正議隊』が慶応3年3月に結成の血盟をして以降、正議隊同士によって交わされた往復文書が一綴りになっていたものを美術蒐集家の木村定三(1913