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認知症と診断されたら最初に使うサービスを考える。

こんばんは。
今日も澄み渡るような良い天気でした。気温は0度でした。ハイネックのセーターを着て出勤しました。ちょうどよい加減でした。

さて、認知症と診断されたとき、ご本人も家族も頭の中が真っ白になるような思いをされていると思います。受け入れがたい気持ちもありながらも、生活の障害やトラブルが出てきていると思います。

そこで、良く受ける反応が
①治療はありますか?
②これからどうなるんでしょうか?
③なにかサービスはありますか?
④大変なんです、何とかしてください。
⑤先生がそういっても、私は認知症じゃありません。

と多様です。
①については、ある病気とない病気があります。それをその人に合わせて説明しています。
②一人ひとり異なりますが、病気一般的なお話をします。
④これは、ご本人がおっしゃる場合もありますが、ご家族からこういう相談をいただくことも多いです。
⑤これも比較的多いです。

今回は、③サービスを選ぶ際の考え方について述べたいと思います。

認知症の人は生活機能障害を起こしている

認知症とは

認知症は、脳の障害によって進行性にこれまでできていたことができなくなる病気の総称です。生まれてからずっとできなかったことは、発達障害の可能性があります。事故や脳梗塞などある出来事があって脳に障害が起き、そのあと進行しない場合は高次脳機能障害と定義されます。認知機能低下があっても生活機能障害がなければ、軽度認知障害と判断されます。これらは認知症の状態とは異なります。
認知症では、皆さん生活や仕事に支障があり、その症状はおおむね進行することが予想されています。

生活機能障害をしっかり評価する

医師は、ご家族から見た生活の不具合、ケアマネジャー、包括支援センター職員の方などがみて、具体的にどのような障害があるのかを伝えれば、それに対応するアドバイスはできることが多いです。
一方で、生活機能障害について評価してくれる人がいなかったり、ご家族もうまく表現できない場合もあります。介護保険の訪問調査員の人の評価も本当にその1時間程度の間の評価ですので、すべてができるわけではありません。さらに、認知症は進行性の病気です。徐々に変化します。その変化にも対応する必要があります。

訪問看護や訪問リハビリを導入する

介護保険が利用できるようになると、認知症が進行しないようにとデイサービスの利用をすすめられることがあります。デイサービスは同じように障害を持った人や高齢者が交流しながら、体を動かしたり、食事をしたり、風呂に入ったり、排泄の手伝いをしてもらったりする場所です。人との交流を促し、介護予防にもなると推奨されることもあります。一方で施設を利用して介護予防をするサービスですので、自宅での生活機能障害のアドバイスを十分にしてもらうことは難しい場合が多いです。感染症にかかったときなどに利用できなくなる場合もあります。

私は、在宅生活の中での不具合を知るために、訪問看護や訪問リハビリで評価してもらうことを提案することがあります。訪問看護や訪問リハビリは、介護保険をとるまえから医療保険を使って利用することが可能です。急変時の対応を兼ねて利用をおすすめしています。利用する場合は、医師の指示のもと行うものですので、医師に訪問看護指示書の発行を依頼します。看護師は、医師に報告書を送付する義務がありますので情報共有にもつながるでしょう。また、認知症の方は高齢者が多いですので、急変対応の可能な24時間対応の訪問看護ステーション、精神科訪問看護の研修を受けているステーション、作業療法士が在籍しているステーションなどを探してみるとよいでしょう。すべてがそろっているところは多くはありません。また認知症に関しては、訪問看護ステーションにより考え方が異なります。自宅でできるだけ生活していきたい、そういうことに対して支援を最後までしっかりしてくれるか、確認するのが良いでしょう。


訪問看護は、介護保険をお持ちの方は介護保険を利用します。介護保険がない場合でも医療保険で利用可能です(利用に週3回までなどの制限はあります)。週1回の訪問看護で体調確認、週1回の訪問リハビリで生活の不具合についての聴取とリハビリをしてもらっています。サービスの利用につながらない可能性がある場合は、医療保険で訪問看護をスタートして様子を見ることもできます。制度面は複雑なので、後日またまとめてみたいと思います。
リハビリでは一緒に調理をしたり、外出訓練をしたり、メモリーノートのつけ方を教えてもらったりします。レビー小体型認知症や血管性認知症では、早期から排せつのトラブルが起こりえます。その場合も訪問看護が入っていれば、便秘の場合の摘便をしてくれたり、浣腸をしてもらうことも可能です。排せつの失敗も、生活導線の見直しやおむつの当て方などの工夫でかなり解決できることがあります。Dfreeなどのテクノロジーも発達しています。

また、訪問看護や訪問リハビリは、介護されている人の相談にものってくれます。
自宅での生活の評価をきちんとして、その障害に対する支援を得て、そのうえでデイサービスを利用していくと、自宅での生活は維持できる期間が延びるのではないかと思います。


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