UUUMで企業分析トレーニング
本業を面白くするために、俯瞰してビジネスと会計のつながりを理解したいと考えています。
この点、現状はビジネスから会計数値としてどのような形になるのか?のイメージがいま一つつかない自分がいます。
そこで、表題の通り企業分析トレーニングをしてみました。
今回の目的
わかったつもりになっていることを炙り出すのも今回の大きなテーマになっています。
対象企業
Youtuberのサポート事業を手掛けるUUUMです。
分析の手順
手順はこんな感じ。
①とりあえずの結論をだす
今回の結論は、UUUMの「売上総利益率」と「営業利益率」を予測することとしました。
ノーヒントは厳しいので、有価証券報告書の事業系統図のみ参照可としています。あとは事前情報と先入観で、自分なりに理屈付けして結論を出してみます。
②答え合わせ
有価証券報告書や決算説明資料を見て、結論との答え合わせをします。
今回でいえば、粗利率と営業利益率を有価証券報告書のPLを見に行くことで答え合わせをしました。
③裏付けの調査
結論と答えとの違いがあればなぜかを自分なりに調べます。
合っていたとしても、偶然かもしれないので、答えの根拠が自分の予測した理屈付けとあっていたかを調べにいきます。
④わかったこと
やってみてわかったことを洗い出してみます。
「意外と○○だった」的な発見が一つでもあれば優勝です!
それでは早速事業系統図から見ていきましょう。
①とりあえずの結論を出す
以下のような仮説をもとに、PL数値についての結論(予想)を出してみました。
・継続的な収益源はアドセンス(「当社グループ」の左側で発生)
・スポットの収益源が広告主とのタイアップ、番組制作(「当社グループ」の右側で発生)
・どこでも収入と支出が発生しているように見える。。。
・手残りは少ないビジネスなのではないか?
・競合が少ないから粗利率は高い
・youtuberのサポート費用はどこにかかるんだろう?
ポイントは仮説や疑問に思ったことは言語化しておくことです。
答え合わせのときにどこで間違えていたかを検証しやすくなります。
今思うと、事業系統図から得た情報が数値に紐づいていない感が否めません(笑)
ここではうんうん唸るのは目的ではないので、とにかく結論をサクッとだします。
②答え合わせ
粗利率が想定よりも低い結果となりました。
③裏付けの調査
自分の結論と回答がずれた要因を探ります。
想像以上に原価率が高かったことに驚きました。
原価の中身を見てみます。
原価の内訳は外注費でした。
なぜ外注費がこんなにもかかるのでしょうか?
UUUMの主たる収益源であるクリエイターサポート事業があります。
この事業の柱の一つ、アドセンス収益のフロー図を確認します。
これを見ると、YouTubeからのアドセンス収益はUUUMがいったん受け取るものの、その後、UUUM所属クリエイター(いわゆるyoububer)に支払われることがわかります。
youtuberは雇用契約ではないため、外注費として売上原価に計上されていると考えられます。
クリエイターサポート事業のもう一つの収益源である、タイアップ動画の収益獲得フローを確認します。
こちらでも、広告主とyoutuberとの間にUUUMが入ることで動画制作費の収入とyoutuberへの支払いを行っていることがわかります。
ここでも動画制作をyoutuberに外注する形になっていることがわかります。
二つのビジネスについて言えそうなこと
・外注費が変動費として一定額かかるということ(固定費はそこまで多くない?)
・アドセンスは比較的安定していると考えられるが、タイアップ動画については、インフルエンサーとなるyoutuberに収益が左右されそう
・この二つのみだと手数料を取るビジネスモデルのため、流通量の増加がポイントになる。
④わかったこと
PLだけでなく、BSに対しても当たりをつけて仮説検証してみる
競合企業に今回の結果を転用して推測してみる
色々試してみると面白いかなと思いました。
腰が重くなりがちの企業分析なのでテンプレ化して回数をこなせるようにしていきたいと思います。
ちなみに、今回の方法は
ビジネス⇒会計の順でしたが、より体系的に学びたい場合は
大手町のランダムウォーカーさんの「会計クイズ」がおすすめです。
続編も!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?