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怖いのは同期

転職失敗マスター様

拝啓、お世話になっております。初めてお手紙書かせていただきました。新卒での同期と言うとなんか一緒に目標に向かう仲間という気がしますが、転職時の同期って複雑です。私はこれを舐めていました。

私の名前は、田嶋 信二 40歳の今年に転職しました。

前職では3年前に営業部門トップを取り、社内では次期営業部長かと噂される順風満帆の日々を送っていました。しかし、ここ数年、会社の業績が悪く、とうとう合併の話も上がってきました。この会社にしがみついていてもこの先明るい未来が訪れる気がしなかったので、これを機に、転職のお話を聞く様になりました。給料が上がればいいな。軽い気持ちでした。

数社訪問し、色々お話を聞いた中、共通して聞かれる質問が
「年下の先輩とうまくやっていけますか?」
 正直、自信はありました。

大学時代、交通事故に遭い、2年間留年した私は社会人1年目から年下の先輩と過ごしてきました。大きなトラブルも無く今ままで過ごしてきた事で、年下の先輩に対して嫌悪感を抱くようなプライドは持っていませんでした。そもそも、職業柄、誰に対しても敬語で話す癖も付いており、年齢のことで悩むなんて思ってもいませんでした。

また、営業職と言う職業柄、今までどうしても一人で活動することも多く、特に周りは気にしていませんでした。

入社1日目、そこにはもう一人の新人が。。。彼の名前は 山崎 翔 なんと24歳。新卒で入った会社を2年で退社し、今回私と同じく中途採用で大阪支店営業部に配属されました。

少しイケメンの彼は、緊張することもなく
「前職で営業をやっていましたので、営業は出来ます。」と自信満々の自己紹介。若い勢いに少し圧倒されるとともに、少しジェネレーションギャップを感じました。

年下の先輩にご指導頂いていたある日、営業部の先輩より、毎日の倉庫の片づけは新人の二人にやってもらうとのメール。私と山崎さんが担当に、新人として少しでも役に立ちたかった私は

一生懸命片づけしました。消耗品の販売を扱っており、倉庫には毎日入荷と出荷が頻繁にあります。倉庫番の方もおらず、お世辞でもきれいな倉庫とは言えませんでした。

「俺忙しいんで、田嶋さんお願いしやす」
 そんな言葉に疑問を持ちつつも、とにかく一生懸命業務をこなす毎日でした。

ジェネレーションギャップを感じる彼は、倉庫で会った時も、「田嶋さんも頑張って下さい」という言葉をかけてきます。その言葉に何か引っかかるものも感じながらも、特に深くは、関わる事無く過ごす日々でした。

営業ミーティングでは、常にワンセット。「山崎君と田嶋さんは・・・」この言葉から始まる言葉に違和感を持ち始めたころ、外部機関での研修の案内通知が・・・
「新人向け営業基礎、言葉遣い、マナー研修のご案内」
参加者は、山崎さんと私。山崎さんと一緒に仕事する事に少し嫌気を感じていたこともあり、年下の先輩に相談してみました。

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転職失敗人間の物語。 「拝啓、転職失敗しました」のリメイク版です。 全12話予定です。 実際に経験した話を編集した内容です。これから転職を考えている方は、参考になれば幸いです。

転職失敗した人の話。

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