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「月とコーヒー」を読んでみた

コーヒーにまつわる本を読めば、コーヒーを飲む時間がもっと上質なものになるのではないかと思い買い求めた中の一冊。

吉田篤弘さんの「月とコーヒー」。
デザインされた文体とどこか不思議なストーリーが、こざっぱりとして洒落た雰囲気を醸しつつも、何となく古風な味わいもあり、独特な世界観だなぁ…という印象。

・冬の少年
・セーターの袖の小さな穴
・二階の虎の絵

この3話が良かった。が、これとは別に、万年筆と青いインクが重要な役割をしている作品が3作収録されており、読み終わる頃には万年筆のことが頭から離れず、結果、コーヒーがどうのと言うより、「そろそろ万年筆を持つか…」という気持ちになる。

溜まっている映画のポストカードを万年筆でしたためて友達に送ろう…とか、英語の勉強にも使えそうだな、万年筆を使えば多少なりともモチベーションが上がりそうだし…とか、あれこれ想いを馳せている。

で、とりあえず分かったのは、コーヒーにまつわる本を読んだからといってコーヒーを飲む時間の質は上がらない。コーヒーを飲む事が日常の中にさりげなく溶け込んでいるからこそ、自分にとって心地の良い時間だと感じられることに気づいた。

そして、我ながら安い発想だったな…としみじみしつつ、万年筆の事を考えながら今日もコーヒーを飲む。


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