やりたい仕事ではなかったことが、心から天職だと感じる仕事になった。
「好きな仕事をしているナルさん、うらやましいです」
と声をかけてくださる方が多くなってきました。裏を返せば、好きなことを仕事にしていて、楽しく働いているように見えるってことだから、とても嬉しい。ありがたいです。
こう声をかけてもらえるのはとてもありがたいのですが、実は今の仕事は、最初から好きでやりたい仕事だったわけではないんです・・・。気づいたら好きな仕事になっていた。こんな感覚です。
どうして今の仕事が好きになれたのか。
それは、今の仕事がスライムのように私の特性にフィットしているからだと思います。
私は、主にデジタルマーケティングのお仕事をさせてもらっています。毎日デジタル系の情報を収集し、Webサイトを解析し、データ分析を行い、次のデジタルマーケティングの施策を考える。そして、また施策の結果を分析する。ずーっとPDCAを回す仕事です。私は、この仕事がすごく向いているなーと思います。好きというより、向いている。フィットしている。自分と仕事の間に乖離が少ないからこそ、違和感がないんです。だから、仕事のことを考え続けられるし、考え続けても飽きません。とても幸せなことだと思っています。
新卒入社当時は、もともとデジタルマーケティングの仕事がしたかったわけではありません。したかったというより、「知らなかった」に近いかもしれません。今ほどデジタルが浸透しているわけでもなかったですし、全世代がYouTubeを日常的に使うような時代でもなかったので、デジタル〇〇みたいな言葉もまだあまり聞いたことがありませんでした。
私はもともと学校の先生になりたいと思っていました。人に何かを教えるのが好き。
しかし、学校の先生になるよりも、「この会社で働きたい!」と心から思える会社に入社することができたので、会社員として働くことを選びました。でも、入社したその先は全く考えていなかったのです。入社してから営業・事務・経理などいろんな職種の仕事をしてみても、どの職種もミスばかりで全然仕事ができず・・・会社員は向いていないのではないかと自分を責める日々が続きました。
そんなとき、会社の社長から「ブログ、書いてみいひん?」との提案をいただきました。できる仕事がなかった私は、「ぜひやらせてください!」と即答。その日からブログ担当になりました。会社のことや商品についてのブログを毎日書き始めるようになりました。ブログ担当になり3ヶ月後のある日、私が書いたブログを見たというお客様から問い合わせの電話がありました。
これは仕事にできるのではないか・・・とネットで調べていたところ、「私が今している仕事は、どうやらWebマーケティングというらしい」ということを発見し、そこからWebマーケティング部を立ち上げ、独学で学び続けました。今では、ウェブ解析やSEO対策、YouTubeの編集・更新やSNS更新など、Webの枠を超えて「デジタルマーケティング分野」を担当しています。私にとって、デジタルマーケティングは天職と感じられるようになりました。
少し話は変わりますが、私はもともと両利きです。
字を書くのは右手。お箸は左手。料理は左手。スポーツは右手。歯ブラシは左手で持つというちょっと変わった手の使い方をしています。私は生まれた時からこれが普通なので、問題なく生活ができますが、初めてのことをするときに、どちらの手を使うかは私にもわからないのでちょっと不便な時もあります。(社会人になり初めてゴルフをやってみたとき、どちらが利き手かわからなくて、右利き用と左利き用、どちらも借りて試してみました(笑)こんな感じでいつも利き手を探っています。)
そのおかげで、どうやら脳みそも両利きになっているみたいで、右脳で情報を受け取って左脳でロジックで処理することもできるし、左脳で受け取った情報を右脳で処理することもできます。
なので、企画をゼロから考えて、実行までもっていくことがあまり違和感なく1人でできてしまいます。そして、その過程がたまらなく好きなのです。
また、お客様から直接「ありがとう」と言われるのも嬉しいのですが、自分が考えた施策が、ターゲットにヒットしたときの爽快感がたまらなく好きで、直接ありがとうと言われるよりも、こちらの方が喜びが強いのです。
そして、私のもう1つの強みはしつこさ。(笑)
これは自分の弱いポイントだと思っていたのですが、マーケティングの仕事をするには強みポイントになっています。私はBtoBのマーケティングが専門なので、マーケティング部を立ち上げから結果が出るまで、約2年かかりました。施策を考えて実行するのが約2年。普通の人なら飽きてしまいますが、しつこい特性をもっているので、結果が出るまでやり続けたいという思いがあり、マーケティングの仕事をしんどくて辞めたいと思ったことは1度もありません。(1日12時間も大学受験の勉強に明け暮れた3年間も、このしつこさのおかげで乗り越えられたのかも・・・。)
こういった自分の行動ベースで好きなことや得意なことが重なり、結果的にマーケティングの仕事が向いていたようです。
逆に弱みもあります。
決まったことを淡々と処理していくのは面白みを感じません。また、訪問販売のように知らない人のところに飛び込みで営業に行く仕事は、HSPの特性もあり、とても疲れるので向いていないなーと思います。この弱みは今の業務ではあまり使うことがないので、ストレスなく仕事ができます。
私の場合は、こんな感じで仕事をする過程で「こういうところは自分の強みだな」とか「これは苦手なんだな」というのがどんどん見つかってきました。
学生の時、「やりたいことを仕事にする」という呪縛をかけられていて、好きなことを仕事にしようと思うと、就職活動はなかなかうまくいかないんですよね。それよりも、向いている仕事を探すと、わりと楽しく働けるんじゃないかなと私は思います。
それには、まず『自分を知ること』が大切だと思っています。
・自分はどんな時に喜びを感じるのか?
・自分が悲しい気持ちになるときはどんな時か?
・「ここだけは譲れない!」というポイントはどんなところか?
・他の人よりもあんまり努力せずにすんなりできることって何だろうか?(←この問い、すごく大事)などなど。
例えば、料理をするのが好きな人。
どうして料理をするのが好きか考えてみてください。
美味しいと言って食べてくれる人がいるから?段取りよくテキパキできた時に喜びを感じるから?自分で美味しいものを作って食べるプロセスが好きだから?「料理が好き」でも、ちょっと考えてみるだけでこれだけの好きがあります。それは人によって違うと思います。その喜びを感じるポイントや価値観、それがあなたの個性です。
自分が好きなこと=向いているではありません。まずやってみて、自分を知る。それが、楽しく働くことに繋がっていくと私は考えています。今はデジタルマーケティングが天職だと思っていますが、年齢を重ねるにつれて天職は変わっていくかもしれません。
ただ、"天職を見つけられたからすごい"、"見つけられなかったからダメだ"ということは無いと私は思います。天職が見つかっても、見つからなくてもどちらでもOK。一番大事なことは「その仕事をしていて、心地いいと思うかどうか?」「自分が誇りに思える仕事かどうか?」ではないでしょうか。
無理して、好きなことや、やりたい仕事を探すのではなく、まずは自分が心地よいと思う瞬間を見つけていきませんか?
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