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【まとめ】2019年2月 中国・台湾ボードゲームクラウドファンディングまとめ

昨年は白色テロによる弾圧が行われた台湾の負の時代を背景にしたホラーゲーム『返校(Detention)』が話題となりましたが、その『返校』を開発した赤燭遊戯(RedCandleGames)の新作『還願(Devotion)』の配信が先月Steamで開始されました。やはり一昔前の台湾が舞台となっているようで、非常に期待できます。

ホラーゲームといえば、ボードゲームでは『ハコオンナ』などありますけれども、やはり音楽や映像で演出ができるという点で、提供できる恐怖体験の質は電子ゲームの方が高いですね。ボードゲームで同様の恐怖体験を生み出そうとすると、どうしてもプレーヤー側の工夫が必要になってしまいます。

『還願』、私もさっそく買ったのですが、どなたか隣で応援してくれませんでしょうか。ホラー部分を飛ばしてストーリーだけ体験したい。

2月のまとめです。

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台湾(zeczec

大宋名捕

宋を時代背景とした正体隠匿ゲーム。三つの陣営に分かれて戦う。

プレーヤー人数:5~6人(基本版)、7~9人(完全版)
プレー時間:10~15分

中国(摩点

武林風雲録(Legends of the Wulin)

武侠テーマのボードゲーム。プレーヤーは武侠の英雄の一人を演じ、任務をクリアすることで自身の能力を強化していく。自身の「命運任務」を最初にクリアしたプレーヤーが勝者。

プレーヤー人数:2~6人

故事反応盒初級版(Storyact Junior)

1月にクラウドファンディングが実施された英語学習用ゲーム『故事反応盒(Storyact)』のジュニア版。絵が描かれたカードを基にストーリーを作っていく。

莫徳里克:尼古諾曼斯的啓示(Madrick: Necromancy Apocalypse)

7月にクラウドファンディングを成功させた莫徳里克(Madrick)の拡張。ダウナーな雰囲気の2人用ゲーム。

仙境幽谷(Everdell)

BGGの評価が現在8.0と高評価のワーカープレースメントゲーム『Everdell』の中国語版製作プロジェクト。終了まで15日を残して75万元(約1200万円)の調達に成功しており、バッカーは1000人超。プロジェクト発起人はYOKA Games。

『初竜誌』第三期

TRPGの中国語モジュール集『初竜誌』の第3巻。

操作大師(Master of Operations)

段ボールとOSBで液圧ロボットアームを組み立ててプレーするアクションゲーム。複数の遊び方ができる。最大4人までプレー可能。必要な部品がコンポーネントに含まれており、組立は自分で行う必要がある。値が張りそうだが、258元(約4,300円)バックで基本版、398元(約6,600円)バックで豪華版と、意外にリーズナブル。

風火山林

織田信長などのカードがある日本陣営と、劉邦などのカードがある中国陣営に分かれて対戦する2人用ゲーム。敵のリーダーを倒すと勝ちとなる。

プレー時間:20~40分

西国建築師(Architects of the West Kingdom)

ボードゲーム『Architects of the West Kingdom』中国版のプロジェクト。

勇者不過是個ATM

台湾の漫画家・黄色書刊の漫画を基にしたゲーム。2017年にzeczecで資金調達に成功したゲームの中国版プロジェクト。腹黒い神父となって勇者からお金をだまし取ることを目指す。ゲームの名前「勇者不過是個ATM」とは「勇者はただのATM」の意。

古董局中局:無尽蔵

すでに中国では一定の評価を獲得しているメーカー・盒中閃電(Boxed Lightning Games)が陝西歴史博物館とコラボして制作する謎解きゲームブック。中華民国時代の西安のある骨董店の店主が書いた日記という設定で、文物の保護がテーマとなっている。

締切まで37日の時点で調達額は約48万元(約800万円)、バッカーは2000人超。

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『仙境幽谷(Everdell)』はYOKA Gamesが主導する中国語版製作プロジェクト。『三国殺』で有名となったYOKA Gamesですが、近年は徐々に『三国殺』以外のゲームに重心を移しています。

『操作大師(Master of Operations)』はメカメカしい見た目が魅力のアクションゲーム。ボードゲームというよりは工作ですが、数年前のメーカーズブームがこの分野にも波及したといった感じでしょうか。

『古董局中局:無尽蔵』を制作する盒中閃電(Boxed Lightning Games)は、『シロクマ救助隊』などで一定の実績を上げているメーカーです。すでに同名の小説を原作とした『古董局中局』という正体隠匿ゲームを制作していますが、今回のプロジェクトは博物館とコラボした謎解きゲーム。中国では昨年10月に故宮公式の謎解きゲームブックが3億円超の調達に成功するなど、歴史×謎解きの組み合わせがトレンドとなっている感があります。


ノートに「スキ」をしていただくと、あるボードゲームの中国語タイトルと、それに対応する日本語タイトルが表示されます。全10種類。君の好きなあのゲームはあるかな?