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もずく美味し主従逆転する予感

炊き込みご飯の時は私が主夫となる。
米を研いで即席のもとを投入するだけの簡単なお仕事だけど。
「パパの『たきごはん』、おいしい!」
当時三歳だった息子の言葉。
それを毎度聞きたくて続けている。

帰宅した息子がパソコンでゲーム(マイクラ)を始めた。
もはや隣にいなくても一人でパソコンを立ち上げられる。
「パパ、来て」
「ご飯の支度で忙しいの」
しばし返答がないので覗きに行くと、なんとゲーム内のコマンド入力に挑戦し成功していた。スペース、タブ、エンターキーを理解した息子がパソコンを乗っ取る日も近いか。

前日のおかずをレンチンしてもう一品副菜がないかと探っていると、妻が「ばあばからもずく酢をもらった」と出してきた。
採れ立ての活もずくらしい。

いざ食事の段となるや、そのもずくの美味しいこと。
歯ごたえからして全然違う。なにこれ本当にもずく?
妻子を見たら、二人とも黙々ともずくを啜って完食。
「今日のメインはもずくだね」
六歳息子の一言に、主夫は微笑みを返した。


(もずくうまししゅじゅうぎゃくてんするよかん)

季語(三春): 海雲(もづく)、水雲


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