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龍宮城スパホテル三日月 に行ってきた。

 (二日分の日記です)

窓の障子を開く。
今まさに東京湾に沈まんとする夕陽。
茜空が濃くなるほど、遠く富士山の陰が浮かぶ絶景。
思わず「来れてよかった、思い出になったよ」と私。
「まだ着いたばっか」と五歳息子のつっこみ。

家族旅行で龍宮城ホテル三日月へ。
息子のお目当てはプール。
スクールの効果で半年前より水が怖くなくなり、果敢にバタ足、スライダー、飛び込みに挑戦。
「パパ、見てて」「パパ、こっち」
私も酸素カニューレを外しプールに浮かんだ――が、次々変わる息子の興味に追いつけずすぐ断念。見学に徹す。
「平日で空いててよかったね」
妻は言ったがほぼ貸し切り遊び放題で、付き合う方は大変よ。


「ありがとう」伝えたくなる冬茜

(ありがとうつたえたくなるふゆあかね)

季語(三冬): 冬の夕焼、冬夕焼、寒夕焼、冬茜、寒茜

夕食はバイキング。
ガラガラの大食堂に「寂しいくらい」と話してたら状況一変。
修学旅行の小学生が続々。
聞けば、今夜は計四校が宿泊とか。げげげ。
突如、二百人以上? の食欲で沸きたつ。
戦場と化す前に妻はとっさにカニ確保に走った。

優しい女の子が、私が片手に酸素カート、片手トレーでもたついていると手伝ってくれた。
「ありがとう」ついでに「どこに行ってきたの?」と尋ねる。
「今日は鎌倉で、明日はキッザニア(東京)です」
キラキラした目にこっちも嬉しくなる。
戸惑った光景も見てると段々楽しくなってきた。
妻も「お酒コーナーは落ち着いてる」と飲みモードへ。
かつての自分たち、これから行く息子の「修学旅行」話まで広がっていく。


ゆりかもめ修学旅行御一行

(ゆりかもめしゅうがくりょこうごいっこう)

季語(三冬): 都鳥(みやこどり)、百合鴎(ゆりかもめ)

二日目もずっとプール。
帰り際に「トリックアート」も見たいと息子。
ここも貸し切りで、次々と絵を遊び倒していく。
「パパ、見て。落ちそう!」「柱何本に見える?」
順路構わずあっちこっち。
私はヘトヘトで絵の工夫を楽しむ気力もない。
ただただ、はしゃぐ息子だけを見る。
彼もまたキラキラした瞳。
世の中への好奇心。初めて見るものへの感動なのかな。

……私の目は他人からどう見えてるんだろうか。


騙し絵に騙される子の息白し

(だましえにだまされるこのいきしろし)

季語(三冬): 息白し

帰り際、もう一度「思い出になったよ、ありがとう」と。
今度は二人も同じ台詞を返してきた。


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