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自宅アニメーション学院

「パラパラ漫画を描きたい」

パパと喧嘩し泣いた五歳息子が明るく言いにくる。
――いいよ。私も笑顔で返した。

十分前までのぬいぐるみ遊び。
ガイド役の息子と電車旅行をする物語。
7体いる彼らの台詞・動きを担当するのは私。
苦手じゃないけど、三日連続で疲れていた。

「パパ、それ昨日と同じセリフ。つまんない」
――野田秀樹かっ
カチンとして、もうやらないと拒否した。
すると背中を向けてシクシク……

一人立ち直ってきたことに敬意を表す。
全力でパラパラ漫画に取り掛かった。
メモ用紙に息子が絵を描き、重ねて二枚目を私が。
三枚目はまた息子と交互に。

性格が出る。
私が模写の中から次を探すのに対し、彼は次に描く絵が既に見えている。
ひらめきに飛びついていく。パラパラにはならないけどね。

小雨の中、黙々と小一時間、作業は続いた。
寝しな、完成した作品をママに見せるときの目。
アニメを見つつ、反応を探る姿はクリエイターのそれだった。


ぎこちないパラパラ漫画走り梅雨

(ぎこちないぱらぱらまんがはしりづゆ)

季語(初夏): 迎へ梅雨、走り梅雨


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