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待ち合わせしようよ

金曜日から約束していたらしい。
六歳息子は日曜昼のスイミングを終えると、ランチもそこそこに帰宅した。

「三時に保育園の門で待ち合わせなんだ」

男の子たちで集まり近くの公園に行く予定という。
級友と交わした初めての約束。
とはいえ、勝手に決めてきた約束。
都合がつかない親御さんも多いだろう。それでも――
半数以上6人の児童(&保護者)が集まった。さながら日曜保育。
とあるママが言う。

「もう前々日からせがまれちゃって」
――うちも一緒です。
「それに、もうすぐ皆バラバラになっちゃうでしょう。こういう繋がりも続けばいいなって」

そんな親心を気にもせず、子供たちはボール蹴りに夢中。
サッカーとは違う。自分らでルールを作り、その中で言い合ったり仲直りしたり。
親が一緒に走り回る時代は終わった、としみじみ。

防災チャイムまでたっぷり二時間。
遊び倒した彼らはバイバイをしながらいう。
「また次の日曜日ね!」
親たちは「毎週は駄目よ」と声を揃える。


待ち合わせへ持ってくボール犬ふぐり

(まちあわせへもってくぼーるいぬふぐり)

季語(初春): 犬ふぐり、いぬのふぐり


※ふと、自分が友人仲間と「遊ぶ」待ち合わせをしたのはいつが最後だったか振り返ってみた。もう四年も前だったと気づき愕然……


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