春を告げるだけでなく……
帰宅のタクシーから、梅の蕾を啄むメジロを見かけた。
春告鳥かと顔がほころぶも、すぐまた現実に戻される。
血液検査の結果が良くなかった。
覚えづらい名前の抗体価。
難病再燃の可能性が高いと診断され、更なる免疫抑制剤が追加処方された。
心がざわざわする。
自覚症状はなかったから青天の霹靂。
いや、少し疲れやすくはあったかな。
午前中、根を詰めて作業すると午後は横になることも……
付き添ってくれた妻が隣でたくさん励ましてくれた。
「まだ決まったわけじゃない、大丈夫」
帰宅しベッドにうずくまる。
――いつもこの時期なんだよな。
五年前、初めて発症したのも。
三年前、再燃したのも。
立春の声を聞くと異変が起こる。なぜだろう。
少し眠って、気持ちを持ち直す。
戒めかな。
浮つかず、一喜一憂して感情を波立たせない。
粛々と、自分のやれることをやっていく。
朝、コメントにもらった
俺が俺がの「我」を捨てて、お陰お陰の「下」で暮らす
の言葉を思い出す。
立春の検査結果の胸騒ぎ
(りっしゅんのけんさけっかのむなさわぎ)
季語(初春): 立春、春立つ、春来(きた)る、春来(はるく)、立春大吉
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夜、ずっと応援している羽生善治九段の降級が決まる。切ない。
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