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背を追って卒園式へ向かう空

大病をして良かった――
なんておいそれとは言えないけれど、息子といる時間を多くもてたのは一つ恩恵。それと……

先日、保育園に送ったとき、教室へ行く階段途中で息苦しくなり座り込んでしまった。一人の先生がそれに気が付いていたようで、夜にお迎えの妻が
「卒園式で椅子をご用意しましょうか?」と聞かれたらしい。
本当は一家族に一席。
旦那さんはカメラ席で立って観るのが決まりなんだけど。
私は御厚意に甘えることにした。

息子が園生活で出来ることがどんどん増えていったの対し、
私にとってこの五年は、出来なくなったことを受け入れて、弱みをさらけ出す、誰かに助けてもらうことを厭わない訓練期間だった。
元来、自意識の強い人間で「苦しくても声に出せない」タイプ。
少し壊せたなら進歩ととらえたい。

かつてリハビリのとき。
目標は「歩いて子供を迎えに行く」だった。
その場所で今日、卒園式。既に込み上げてくるものがある。
しっかり上を向いて行ってきます。


(せをおってそつえんしきへむかうそら)

季語(仲春): 卒業、卒業生、卒業式、卒業証書、卒業歌、卒園


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