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忍び寄る不具合

朝、蒸し暑さに耐え作業をしていた。
仕事休みの妻が掃除機をかけてくれている。

――リビングの冷房入れたら?
「空気入れ替えたらね」

そんなやり取りをしてすぐ。
我が部屋に異臭が流れ込んできた。
何かが焼け焦げる匂い?
はっとして駆け寄るや、妻も異変を察知した。

「掃除機、壊れたかも」
――使わない方がいいよ。

先日のドライヤーに続く故障。
結婚生活九年。共に過ごしてきた家電たちも寿命の時期か。

比較的新しい、仕事部屋用のロボット掃除機を持ち出す。
が、なんとこちらもビープ音を鳴らしたきり動かない。
(後で原因はバッテリー寿命と判明)

「二台連続故障なんてある?」
妻が話しながら洗面所に行くと――バチッ!
……電球まで切れた。

「怖いよ怖い」
二人して思わず声を上げる。
なにこれ? 連続する猛暑日の仕業? 強制的節電?

「いったん休憩しよう」
リビングにいき空調のリモコンを手にとる妻。
――ゆっくり押してね。私は謎の助言を吐いた。


掃除機が煙吐き出す溽暑かな

(そうじきがけむりはきだすじょくしょかな)

季語(晩夏): 溽暑


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