『困りん坊のサンタクロース』

そのサンタクロースは困っていた。
雪の季節になると子供達へのプレゼント準備を始めるのだけれど、何をあげたら喜ぶか分からない子がいる。

例えば最近六歳になったシン君。
誕生日におもちゃはいらないと言った男の子。
悩んだパパとママは初ディズニーランドという「体験」をあげた。
それは喜んでもらえたようだが、次に悩んだのはじいじとばあば。
「何を渡したらいいのかしら？」
パパが絞り出した
「マイクラで課金したがってたので、そのコインは？」
に頷き二人は今日、シン君の遊ぶＰＣにダウンロードする作業に立ち会った――よく分からないまま喜ばれていた。

さらに来週もう一人のばあばが来る。
「プレゼントお願いしていい？」
パパとママはまた頭を悩ませている。

さて、クリスマス――
会話を盗み聞いていたら、ママがシン君に尋ねた。
「サンタさんに何をお願いしたい？」
「うーん……知らない人が家に入って欲しくない」

サンタは一層困り顔になるのだった。

孫が望むデジタルコイン雪催

（まごがのぞむでじたるこいんゆきもよい）

季語（三冬）： 雪催

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※日記を小説風に表現しています__🖋