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人知れぬ努力

保育園はしばらく休園。
妻も仕事は休みとなり。
私だけ自室で作業させてもらう。

午前中から何やら騒がしい。
玄関でガチャガチャとやってる。故障?
覗こうとすると、息子が「見ちゃ駄目ー!」

工具を取りに来た妻にこっそり聞くと、
「自転車。この休みの間に乗れるようにって」
――パパには内緒なのかな。
「出来てから見せたいんじゃない?」

心当たりがあった。
昨年末。当時四歳。
公園で同級生の女の子にあった。
お姉ちゃんと並んで、補助輪なしの自転車を乗りこなしていた。
「すごいね」と私と妻は絶賛。
息子もその様子をじっと見ていた。
――お前も乗れるんじゃない?
何気なく言った言葉に、
「五歳になったらね」
と返しぷいと行ってしまった。
以来、全く自転車に乗ろうとしなかった。

お昼時。
顔を上気させた息子が戻ってくる。
妻に目配せ。
「全然。ちょっと手が離せたくらい」

ゆっくりでいい。
人知れず練習を積む、その姿勢が素晴らしいよ。
(てか、パパも見たいんですけどーっ)

土の付いた膝が眩しい。


風光る

膝に土補助輪なしの風光る

(ひざにつちほじょりんなしのかぜひかる)

季語(三春): 風光る

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