はっち

生命保険会社勤務。営業部門ではない。 業界は15年ほど。 保険業界の話題や生命保険の仕…

はっち

生命保険会社勤務。営業部門ではない。 業界は15年ほど。 保険業界の話題や生命保険の仕組みなど。

最近の記事

加入しなくてもいい保険

保険のかわりに 万一に備えるためという観点から基本的な保険について考えてみます。 保険は期待値だけを考えたら加入し ない方がいいです。保険会社が得をするだけです。 期待値に対して保険で備えるのではなく、ブレに対して保険で備えてください。 期待値に対しては預貯金や資産運用などで備えてください。また、スポーツなどの健康増進や人間ドックなどの健康診断にお金を使うのもいいでしょう。ただし、手元のお金をすべて使い果たし、預貯金などが全くできない人なら保険に加入する意味はあります。

    • 保険で減らすべきリスク

      年齢による死亡率の影響 今度は高齢層と若年層による死亡率のブレについて考えてみます。 両者の死亡率と設定される予定死亡率は次のようになります。ここでは例として、若年層は10から14歳、高齢層は85から89歳を比較してみます。 ここも大事なのは水準ではなくブレです。両者ともブレがありますが、もとの死亡率に対するブレの割合だと、高齢層は1%程度に対して、若年層は8%程度と高くなっています。 考え方としては高齢層の死亡率は上ブレしても最大1までです。その差が小さいので上ブレ

      • 生命保険の死亡率について

        アクチュアリー みなさんはアクチュアリーという職種を聞いたことがあるでしょうか。時間があれば勉強していたり、専門の分からない記号を使い議論したりといった保険会社でも異色な職種です。彼らは保険料を計算したり、決算では責任準備金(先の危険保険料の積立金)を計算したり、その積立金が将来不足しないか予測するといったことをしています。 危険保険料は予定死亡率をもとに計算されていると書きました。この予定死亡率はバッファ(後で説明する安全割増)を含んだ死亡率で計算がされており、その安全

        • 保険料の内訳

          保険料の内訳 みなさんが支払う保険料の内訳は決まっています。すぐに他の契約の保険金の支払いに使われたり、将来に支払う保険金に当てるために積み立てられたり、保険会社の運営費に当てられたりします。今回はそれらについて説明します。 危険保険料 直近期間の保険金の支払いに使われる部分。その期間は保険料払込方法によって異なります。予定死亡率を使って計算されており、その予定死亡率より実際の死亡率が低ければ危険差益(死差益)と呼ばれる利益が発生します。この予定死亡率には生命保険会社が

        加入しなくてもいい保険

          保険加入率と保険会社の行末

          保険が好きな日本 日本の生命保険の加入率について、生命保険文化センターの調査で89.8%、医療保険で93.6%とあります。 (出典∶(公財)生命保険文化センター「2021年度生命保険に関する全国実態調査」https://www.jili.or.jp/research/report/zenkokujittai.html) この生命保険文化センターは民間の保険会社や都道府県民共済などの加入についての調査なのですが、みなさんはその他にも高額な保険に入っていますよね。公的な健康保

          保険加入率と保険会社の行末

          相互扶助と生命保険

          生命保険とはご存知でしょうが、生命保険とは被保険者が亡くなったときに保険会社から保険金が支払われる仕組みです。 保険会社は慈善団体ではないので、契約者は保険料を支払ってます。保険会社はそれを貯めておいて、亡くなった方へ支払います。 支払った保険料は必ずしも自分に帰ってくるわけではなく、亡くなった方へ支払われます。自分が亡くなった場合はその逆です。 互いに助け合う相互扶助の形になっています。 生命保険の成り立ち損害保険(主に船荷)の考えは古代からあったとされますが、生命保険

          相互扶助と生命保険

          はじめに

           私は生命保険に勤務しています。仕事柄、保険の口コミや比較サイトなどを見ることが多いのですが、単純な保険料の比較ばかりでその保険商品の仕組みまで踏み込んだ内容が少ないなと感じました。また、それらのサイトは保険代理店でもあるので、中立の立場では保険の評価がされていないと感じました。 ここでは、保険業界の話題や保険商品の仕組みなどについて話ができたらと思います。保険の仕組みも理解した上で、今入っている保険が自分のニーズと合致しているのか、保険の口コミや比較サイトを見て必要な保険

          はじめに