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加入しなくてもいい保険

保険のかわりに

万一に備えるためという観点から基本的な保険について考えてみます。

保険は期待値だけを考えたら加入し
ない方がいいです。保険会社が得をするだけです。
期待値に対して保険で備えるのではなく、ブレに対して保険で備えてください。
期待値に対しては預貯金や資産運用などで備えてください。また、スポーツなどの健康増進や人間ドックなどの健康診断にお金を使うのもいいでしょう。ただし、手元のお金をすべて使い果たし、預貯金などが全くできない人なら保険に加入する意味はあります。

続いて、これまでの観点から、加入すべき保険種類を考えてみます。

死亡保険について

加入するなら、シンプルな掛け捨ての定期保険で十分です。保険料が高くなり年金が受給できる65歳くらいになったら、続けなくていいでしょう。

その年齢まで健康的に過ごしてきたなら、それ以降に支払う保険料を上回る保険金はまずもらえません。

また、加入するときは保険の比較サイトなどで保険料を比較してみましょう。ネット販売や通販などの方が保険料が安いのではないでしょうか。営業員へ支払う手数料などの初期費がかからない分、保険料は安くなっています。

医療保険について

入院は期待値がそれなりに高いです。更に、医療保険の発生率は死亡率と比べて将来予測が難しいため、各社とも安全割増をかなり上乗せして、将来予測が上ブレしても損失が出ないようにしています。

コロナ禍で、みなし入院に入院給付金を支払った会社が多いにも関わらず、それが原因で赤字になった会社はほとんどありません。かなりの安全割増を上乗せしているのが分かります。

健康保険の対象外の先進医療は金額が大きいので加入してもいいかもしれませんが、これも安全割増は非常に高いです。それを理解した上で加入してください。親族間でなりやすい病気があればそれに特化した保険に加入するのもありです。
入院や手術などの基本的な医療給付に対しては公的な健康保険で十分です。

損害保険について

損害保険については、火災や自動車事故などは発生率が非常に少ないですが、起きたときの被害額が大きいので加入した方がいいです。ブレに対して保険で備えます。

貯蓄性商品について

以下、加入を検討している方へ向けてです。古くから加入している方へは最後に書いています。
保険会社は受け取った保険料のうち貯蓄保険料による積立金(責任準備金)を運用して、運用益を上乗せしています。
この積立金はお客さんからの預り金なのでリスクは取らず主に国債や社債などの債券で運用しています。
ただし、その運用益の一部は保険会社の運用費用や利益になるので、それら債券の利息がすべて積立金に上乗せされるかといえば、そうではありません。
ですから、貯蓄性商品に加入するなら、自分で資産運用をした方がいいです。

積立金の目標とする運用利回りは円建て保険であれば日本長期国債、外貨建てであれば発行国の長期国債の利回りを基準に決めています。

もし、個人が国債で運用するなら、個人向け国債や新窓販国債、投資信託などがありますが、ここで解説はしませんので、興味がある方は調べてみてください。

投資は元本保証がないという考えもありますが、保険に加入しても、保険料以上戻ってくるなんて、まずありません。解約返戻金も保険料より少なくなります。
保険で得をするのは、早期に死亡したときとか、頻繁に入院したときとか、不幸が重なったときです。それよりも不幸にならないように、健康にお金を使った方がいいのではないでしょうか。

なお、1993年より前に加入している終身や年金などの貯蓄性商品は保険会社が約束している運用利回りは年5%を超えています。日本の社会情勢や経済状況を考えると、これほど利回りの高い商品が販売されることは当面ありません。保険会社はいろいろな理由を使って、解約や乗換をさせようとしてきますが、断って満期まで持っていることをお勧めします。

生存給付金、無事故給付金

死亡保険に生存給付金がついていたり、医療保険の無事故給付金がついていたりする商品は何かお得感がありますよね。保険事故(死亡や入院)があってもお金がもらえるし、保険事故がなくてもお金がもらえます。
でも、この給付金は何であるか知っていますか?お客さんにお得感を出してもらうためだけではないんです。
実は保険会社にとってのリスクヘッジなんです。死亡に特化した商品は、死亡が極端に増えると損失になるので、生存給付金を付けておけば(その分、保険料も上がります)、死亡保険金の支払いが増えても逆に生存給付金の支払いは減るので、死亡による損失と生存による利益が相殺されます。無事故給付金も同様です。保険会社にとっては死亡と生存との両方を支払うことはないので、大きな利益は得られませんが、安定した利益を得るための仕組みなんです。

以前の養老保険のように死亡しても生存してても、支払った保険料以上に返ってくるものでなければ、加入しなくてもいいでしょう。


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