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保険で減らすべきリスク

年齢による死亡率の影響

今度は高齢層と若年層による死亡率のブレについて考えてみます。

両者の死亡率と設定される予定死亡率は次のようになります。ここでは例として、若年層は10から14歳、高齢層は85から89歳を比較してみます。

厚生労働省の人口動態統計「上巻死亡5.15表」より作成
厚生労働省の人口動態統計「上巻死亡5.15表」より作成

こちらも、実際はここまでトレンドを加味した予定死亡率は設定していません。イメージとしてとらえてください。

ここも大事なのは水準ではなくブレです。両者ともブレがありますが、もとの死亡率に対するブレの割合だと、高齢層は1%程度に対して、若年層は8%程度と高くなっています。

考え方としては高齢層の死亡率は上ブレしても最大1までです。その差が小さいので上ブレても大したことはありません。逆に若年層は1までの差が大きいので、上ブレするとかなり大きくなります。

高齢層の死亡率は上ブレしにくい。若年層の死亡率は上ブレしやすいことが分かります。

保険で減らすべきリスク

保険に入る目的は何でしょうか?安心を買うのもそうでしょう。万一に備えるのもそうでしょう。税金対策や相続対策もそうでしょう。

ただ、万一に備えるための保険は、本当に万一ですか?

万一とは10000分の1くらいの確率で滅多に起きないことです。先の高齢層の死亡率は10%くらいなので、万一に備えるのとはちょっと違います。

万一に備える保険は、確率は低いが、その時の被害が大きいものが当てはまります。

先の若年層の死亡率のように確率は低いが、上ブレリスク(統計学では、このブレのことを分散や標準偏差といいます)がある場合は万一といえます。このリスクを保険で減らします。

確率が高いリスクについては、保険で備えるべきではありません。保険に入っても支払った保険料以上の保険金がもらえる可能性はほぼありません。

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