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相互扶助と生命保険

生命保険とは

ご存知でしょうが、生命保険とは被保険者が亡くなったときに保険会社から保険金が支払われる仕組みです。
保険会社は慈善団体ではないので、契約者は保険料を支払ってます。保険会社はそれを貯めておいて、亡くなった方へ支払います。

支払った保険料は必ずしも自分に帰ってくるわけではなく、亡くなった方へ支払われます。自分が亡くなった場合はその逆です。
互いに助け合う相互扶助の形になっています。

生命保険の成り立ち

損害保険(主に船荷)の考えは古代からあったとされますが、生命保険は中世ヨーロッパで冠婚葬祭のときや病気怪我で働けなくなったときなどに、同業者組合(ギルド)で資金援助をする仕組みから生命保険が生まれたとされます。
このときは相互扶助の考えから生命保険という仕組みができました。

相互会社と株式会社

ところで、保険会社の形態は大きく分けて2種類あるのはご存知でしょうか。株式会社と相互会社です。
株式会社は会社法に則った一般の株式会社と変わりませんが、相互会社は保険会社にのみ認められた会社形態です。
この相互会社は相互扶助の考えからできています。保険の加入者一人一人が株式会社でいう株主として出資し(資本金にあたるものは基金といいます)、それを原資として会社の運営を行います。株式会社の株主総会のように、加入者の代表者が集まり、総代会が開かれます。
また、剰余金は株式会社の配当のように加入者へ分配されます。
保険の成り立ちは相互扶助から生まれているので、相互会社の方がしっくりきます。相互扶助の中心が営利目的の株式会社というのは違和感がありますよね。

ただ、会社を急成長させようと、上場で増資をして、急成長するためには株式会社である必要があります。

近年は第一生命が2010年に株式会社化して上場しています。以前に比べ、他社の買収や海外投資などで、かなり積極的な事業展開をしている印象を受けるようになりました。

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