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お坊さんの書いた仏教コラム

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お坊さんが書いたカルチャーにまつわるコラムや仏教に関するコラムをご紹介します。
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記事一覧

仏教はいかにして「地動説」を受け入れたのか? 天文学と仏教

昔は「私たちの住む大地は動かないのであって、太陽が地球の周りを回っている」と考えられて…

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お墓の起源は? 仏の弟子にも問題児はいた? 僧侶が読み解く仏の逸話

 お釈迦さまの遺骨・仏舎利を納めた塔を、サンスクリット語(古代インドの言語) でストゥーパ…

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お寺にお墓があるのはなぜ? 僧侶が読み解くお墓の起源

地域差はありますが、お寺にお墓があるのは珍しくありません。しかし歴史を見ると、お寺は最初…

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3代将軍家光の命で、名前が変わったお寺【第19回】梅上山光明寺(東京都港区)

ご旧跡紹介 『光明寺縁起』などによると、1212(建暦2)年、一説によれば1250(建長2)年、武…

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義経の母が持っていた阿弥陀像がある?【第17回】中戸山西光院 常敬寺(千葉県野田市…

ご旧跡紹介 寺伝によると、開基は親鸞聖人の孫・唯善。唯善の父は小野宮禅念、母は親鸞聖人の…

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群馬県で「さぬき」の面影を探す【第15回】宝福寺と佐貫庄(群馬県邑楽郡板倉町)

ご旧跡紹介 1214(建保二)年、親鸞聖人が越後国から常陸国に向かう途中のこと。「武蔵の国や…

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人間は欲望に駆られると、道をはずれる生き物【多田修の落語寺・黄金餅】

 寺を持たず下谷(台東区)の長屋に住む貧しい僧侶・西念が、重い病気になります。西念は、隣に住む金兵衛に、あんころ餅を買ってきて欲しいと頼みます。    西念は金兵衛を部屋から出すと、貯めていた金貨と銀貨を餅にくるんで、飲み込みます。金兵衛はその一部始終を、壁の穴からこっそり見ていました。西念は餅と金貨・銀貨を全部飲み込んで、息絶えます。金兵衛は、西念が飲み込んだ金貨と銀貨を自分の物にしようと画策します。  まず、麻布(港区)の顔見知りの寺に西念の葬儀を頼みます。寺が貧しいの

親鸞聖人の御歯骨が保管されている?【第14回】高栄山上宮院法得寺(栃木県野木町)

ご旧跡紹介 親鸞聖人は1211(建暦元)年、越後への流罪を赦免され、念仏教化のため関東に入ら…

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「娑婆」の本当の意味がわかれば、何倍も面白い名作落語【多田修の落語寺・辰巳の辻占…

 ある店の若旦那、お気に入りの芸者に会いに、辰巳にやってきます。店で芸者を待つ間、辻占菓…

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自分一人で満足している状態は「牢獄」と変わらない 僧侶が読み解く映画『バービー』

「仏教と関わりがある映画」や「深読みすれば仏教的な映画」などを〝仏教シネマ〟と称して取り…

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幼少期のさかなクンが見せた、少し変わった「魚への愛情」 ~僧侶が読み解く『さかな…

「仏教と関わりがある映画」や「深読みすれば仏教的な映画」などを〝仏教シネマ〟と称して取り…

「お盆」のルーツについて、お坊さんが真面目に考えてみた

 全国的には8月、一部の地域では7月になると「お盆」という行事が営まれ、多くの人がお寺やお…

土用の丑の日の前に知っておきたい名作落語【多田修の落語寺・後生鰻】

 ある隠居さんは信心深く、殺生を嫌っています。  その隠居さんが鰻屋の前を通ると、主人が…

「させていただく」という日本語について、仏教の視点から真面目に考えてみた

 突然ですが、あなたは、「させていただく」という言葉をよく使いますか? 巷では1990年代から爆発的に使われるようになったとされ、どんな動詞でもその後ろにつけておけば間違いなく自分のことをへりくだれる、いわば「マジックワード」として重宝されています。  一方で、あまりに多用されるため、かえって慇懃無礼だと感じる人もいるようで、昨今はこの表現を避けるよう指導しているマナー講師が多いとも聞きます。さらには「させていただく」と言われることに腹を立て、取り締まる「させていただく警