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酒井順子連載「あっち、こっち、どっち?」

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築地本願寺新報に掲載中のエッセイストの酒井順子さんの連載です。気になるふたつの言葉を取り上げて、紹介していきます。
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#酒井順子

末端で先端だからこそ、残される宝物を探して。能登半島訪問で思ったこと

今年の元日に発生した地震で、大きな被害を受けた能登半島。この地が好きでたまに足を運んで…

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「推しができた喜びに泣いた」と語る友人。“推し”を持てるのは一種の才能?

友人が先日、世界的に人気の韓国のアイドルグループ・BTSのライブのため、韓国・釜山まで行…

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「きっちり」な理系と「あいまい」な文系が混じりあうから、世界は豊かになっていく

昭和時代に、女子校に通っていた私。時代のせいもあってか、今で言う〝リケジョ〟は、今以上…

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若い男性に変化あり? 旅先で実感する、男女の感覚の変化

 気がつけば目立つようになってきたのが、乳幼児を連れたお父さんが、スーパーで買い物をす…

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「かっこいい」「格好いい」「カッコイイ」、どれが好き?

 日本語は、漢字とひらがな、そしてカタカナという三種類の文字を使用して表記する言葉です。…

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お店に「さん」はつける? つけない? 関東と関西の文化の違いを考える

大人になってから京都に行った時、京都の人がお店の名前に「さん」をつけて呼んでいるのを聞…

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社内恋愛はもはや大罪? 変わりつつある「自然な出会い」の定義

 マッチングアプリで出会って交際や結婚をする人が、急激に増えています。数年前までは、アプリで出会って結婚することに対して、「えっ」という顔をする人もいましたが、もうそのような反応は少ないのではないか。    お見合いや結婚相談所を利用したのではなく、学校や職場等で知り合うことを、「自然な出会い」とする言い方があります。その考え方でいくと、マッチングアプリで知り合ったカップルは「不自然な出会い」ということになる。  しかし最近、世の恋愛事情は激変しました。会社員の友人の話を聞

「満」や「密」な状況がもたらす、濃厚な時間もある

 このゴールデンウィークに、浅草に行く機会がありました。久しぶりに行動制限の無い大型連休…

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「あげる」行為は楽しいが、時に暴力的でもある。

 近所のおばあさんの家に行くと、いつも必ず、持っていった物以上の何かを持たせてくれようと…

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年下と年上、どっちと話すのが好き?

子どもの頃、私はいわゆる「おばあちゃんっ子」でした。父方の祖母と同居していたのですが、…

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「自分は中身が薄い人間だ」と感じても、落ち込まなくていい

 かつて、会社員の友人と悩みを話し合ったことがあります。 「何だか自分が、ペラッペラな人…

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ショートケーキを食べるたびに感じる、深い孤独感

 実は、ショートケーキが苦手です。  絶対に食べられないわけでもないし、アレルギーという…

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年をとるのは悪いこと? 「年を重ねる」という言葉に抱く違和感

「年をとる」という言い方を、あまり耳にしなくなりました。今、「年をとる」の代わりに便利に…

能登半島地震で考える「孤立」の意味

 元日に石川県能登地方を震源とした、大きな地震が発生しました。能登半島好きの私は、珠洲に住む友人と、年末に電話で話していたばかりだったのであり、心配が募ります。  友人一家の安否は、しばらくわかりませんでした。LINEが既読にならないのは、スマホの電源がなくなっているのもしれない。いやもしかすると……などと、様々な想像が頭を駆け巡ります。  しかし様々な検索をしているうちに、とあるニュースサイトに掲載されている写真の撮影者として、友人の名前が出ているのを発見。彼女が住んで