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酒井順子連載「あっち、こっち、どっち?」

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築地本願寺新報に掲載中のエッセイストの酒井順子さんの連載です。気になるふたつの言葉を取り上げて、紹介していきます。
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#築地本願寺

紫式部と清少納言の違いとは? 作品から見る二人の性質

 大河ドラマで話題となっている、紫式部。ドラマということで、だいぶ史実から羽ばたいて大胆…

「お母さん」、それとも「母」? フラット化する社会を考える

 様々なドラマを見せてくれた、パリオリンピック。スポーツの素晴らしさをたっぷり味わうこと…

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末端で先端だからこそ、残される宝物を探して。能登半島訪問で思ったこと

 今年の元日に発生した地震で、大きな被害を受けた能登半島。この地が好きでたまに足を運んで…

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「推しができた喜びに泣いた」と語る友人。“推し”を持てるのは一種の才能?

  友人が先日、世界的に人気の韓国のアイドルグループ・BTSのライブのため、韓国・釜山まで行…

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「きっちり」な理系と「あいまい」な文系が混じりあうから、世界は豊かになっていく

  昭和時代に、女子校に通っていた私。時代のせいもあってか、今で言う〝リケジョ〟は、今以…

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若い男性に変化あり? 旅先で実感する、男女の感覚の変化

  気がつけば目立つようになってきたのが、乳幼児を連れたお父さんが、スーパーで買い物をす…

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「かっこいい」「格好いい」「カッコイイ」、どれが好き?

 日本語は、漢字とひらがな、そしてカタカナという三種類の文字を使用して表記する言葉です。外国の人にとっては、だからこそ難しいのだそうですが、我々にとっては生まれた時から日本語を読み書きしているので、「そんなもんだ」と、特に違和感なく過ごしているのです。    三種類の文字の中で私が最も好きなのは、漢字です。お習字を習っていた頃も、かな文字で和歌をさらさら書くよりも、漢字をぐいぐい書く方が楽しかった。もともと、丸より四角、曲線より直線を好む傾向があるせいか、漢字の角ばった感じに

お店に「さん」はつける? つけない? 関東と関西の文化の違いを考える

  大人になってから京都に行った時、京都の人がお店の名前に「さん」をつけて呼んでいるのを…

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「満」や「密」な状況がもたらす、濃厚な時間もある

 このゴールデンウィークに、浅草に行く機会がありました。久しぶりに行動制限の無い大型連休…

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「あげる」行為は楽しいが、時に暴力的でもある。

 近所のおばあさんの家に行くと、いつも必ず、持っていった物以上の何かを持たせてくれようと…

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年下と年上、どっちと話すのが好き?

  子どもの頃、私はいわゆる「おばあちゃんっ子」でした。父方の祖母と同居していたのですが…

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「自分は中身が薄い人間だ」と感じても、落ち込まなくていい

  かつて、会社員の友人と悩みを話し合ったことがあります。 「何だか自分が、ペラッペラな…

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ショートケーキを食べるたびに感じる、深い孤独感

 実は、ショートケーキが苦手です。  絶対に食べられないわけでもないし、アレルギーという…

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年をとるのは悪いこと? 「年を重ねる」という言葉に抱く違和感

「年をとる」という言い方を、あまり耳にしなくなりました。今、「年をとる」の代わりに便利に使用されているのは、「年を重ねる」という言い方でしょう。    化粧品や健康食品のコマーシャルでは、 「年齢を重ねたあなたに」  という呼びかけによって、商品の宣伝がなされています。 「年をとったあなたに」  では聞こえが悪い、ということなのです。    しかし私は、  「年齢を重ねたあなたに」  と、自分の世代へ向けた「年齢化粧品」とやらが宣伝されているのを見るといつも、もやっとした気持