ラビオリむかし語り「(La Fabbrica Della Pasta) Quel」(クエル)本郷三丁目

本郷三丁目から水道橋方面へ大通りを歩いていく。順天堂とか、医科歯科の方向だ。壱岐坂通りの手前に、おしゃれな外観のレストラン。「クエル」というそうだ。もちろん、たべられます。どちらかというとたくさん食べる方です。

本郷三丁目付近のレストラン、飲食店の中でも、かなり新しい部類の…成功店に入るだろう。最近、壱岐坂の近くにおしゃれなお店ができたなあ、なんてのんきに構えていたら、あれよあれよという間にランチどきは満員御礼。運が悪ければ、12時半までに座ることが難しい、かなりの人気店となっている。

平日のランチは、一番お手軽な950円のセットがおすすめ。多くの人がこれを注文する。本日のスパゲティ、自家製パン2種、プラス100円でおいしいコーヒー。しかし、Pranzo del Quelという1300円のセットに昇格すると、「前菜」がつく。これに自家製パン2種とサラダがワンプレートになって、パスタの前にやってくる。こちらの店はおいしいイタリアンに、有機ワインやビールをあわせて楽しむのが真骨頂であるから、この「前菜」がなかなかに旨い。夜の部に行くか行かないか、おためしで1300円のランチを頂くのも一興だ。あなたのお口に合うかどうか。ランチビールが欲しくなったら夜の部へいらっしゃい、というわけです。

とはいえ、950円のランチというのも決してお安い値段ではない。私が初めてこちらのランチで頂いたのは、1300円のランチのそのまた上のメニューだった。それは、アーティーチョークを使用した、手作りのラビオリだという。アーティーチョーク…西洋ノアザミの茎の部分だ。生でも売っていることは売っているが、多くは瓶詰の水煮やピクルスとなっている。ついついお昼からチャレンジ精神が出てしまった。

ランチでは、美味しい前菜の後、期待が膨らんだ私のもとに白い皿に盛られたラビオリがやってきた。…親指の先くらいの大きさの、薄いラビオリが「5つ」。ラビオリ、小さなまるい西洋餃子のようなもの…これは、これはとても少ない…私には…。

ラビオリをじっと見つめる私の隣に、950円の今日のパスタが届けられた。隣の客のもとには、深みのあるオーバルプレートに、こんもり、たっぷりのトマトソースパスタ。ランチのパスタって、こういうのがいいですよね。そして、クエルのパスタは、このスタンダードなトマトソースパスタがめちゃくちゃ旨いのだ。乾麺のパスタも絶妙のアルデンテで、うっとりする仕上がりに感謝しかない。イタリアよありがとう。

小さなラビオリは、一つ一つをかみしめていただいた。様々な具材を丁寧に刻み、ソースも様々に刻んだ「何か」が入っているので、結局、何が入っているのかよくわからない。おいしいということはわかるが。

以来、クエルのランチはトマトソース系の950円のパスタで決まりだ。

ディス・イズ・ナンバーワン・パスタ・スタンダード


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