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桜並木の穴場ランチスポット「食彩酒席 ビカヴォ」茗荷谷

茗荷谷駅から、教育の森公園までの途中に、桜並木が美しい小さな公園がある。概ね周辺の土地の大部分は区の駐輪場になっており、のんびりゆったりして、いい感じの「空地」風。ほっこりお散歩するのに最高な場所だ。この通り沿いにビカヴォはある。

ビカヴォはこの界隈では気軽に行くことのできる居酒屋である。縦に長い店舗だが、店奥にはまとまった人数が入ることのできるスペースもある。近隣の忘年会や新年会を一手に引き受けることのできる十分なポテンシャル。チェーン店でもないのに駅近で便利この上ない。

この店では、ウィークデーにはランチをやっていて、そのこと自体は別に珍しくもないのだが、その日のおかずの全部(ビーフオアフィッシュ)を盛り込んだ、松花堂弁当が人気である。ボリュームたっぷりで、メニューは毎日変わる。なんだか昼からずいぶん気合の入ったお店なのだ。

とある日のメニューだが、大きな重箱風のプレートに、ミニサラダ、豚の角煮(煮卵付き)、お刺身、バンバンジー、肉じゃが、魚介のマリネ、ひじき煮、香の物などなど、これにご飯と手作りの大根入り味噌汁がついてきた。どれも美味しいが、野菜もたっぷり採れるのがうれしいところ。松花堂弁当というよりも、大人のお子様ランチ(大盛り)という方が正確だろう。

そして、食後には当然のようにおいしいコーヒーが出てくる。プラスで女性には小さなフルーチェのようなデザートがサービスされる。ということで、昼休みの間だけ、茗荷谷のゆったりした空気の中でほっこりできるのだ。

これほどコスパの高い松花堂ランチだが、常連客の中にはこれよりもステーキ入りのカレーをチョイスする人がいる。頼んだことはないのだが、よくよく観察したところ、店長と懇意に話す人ほどカレー率が高い。まだ試したことはないが、おそらく相当に旨いと予想できる。

こちらの店長は、細身のシュッとした男性で、頭はばちっとリーゼントできめている。聞けば昔はバンドマンとして活動されていたそう。筋金入りのリーゼントだったわけだ。そういえば、何となく、ジャンルは違うかもしれないが、矢沢永吉や往時の横浜銀蝿のような、プロフェッショナルの雰囲気がのこっていらっしゃる(ジャンルが違ったらほんとうにすみません)。元気が出ないときなど、店長の巻き舌調の「いらっしゃい」を聞くと、いや、もうちょっと元気出さないとなあ、なんて思うものだ。

春先になると、店先の壺に桜の枝を投げ入れて、夜は小さな投光器でライトアップして美しい。ちょっとした花見も兼ねられて気分上昇だ。

さて、店長のバンドマン時代の話をどこまで聞けるか?

私は自分からは聞きません。何となく、謎はなぞのままで。



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