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「タグで思いやリプトン」メンションでつながるキャンペーン

こんにちは、久保ハルキです。今日はユニリーバ・ジャパンさんで実施された「#タグで思いやリプトンキャンペーン」についてトレースしていきたいと思います。

キャンペーン概要

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商品理解

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Liptonの対抗馬として考えられるのが「午後の紅茶(KIRIN)」「craft boss(SUNTORY)」「紅茶花伝(COCA COLA)」でしょうか。

Liptonの最大の特徴として「パッケージ展開」があります。いつの時代でも、どんな場所でも、どんな気分でも、形を変えながら一つのブランドで寄り添うことができます。

複数ブランドで展開せず、ブランドを絞ることで意味合いも強まっていきますが、だからこそブランド戦略にこだわる必要があります。ブランドとは広義に渡りますが、ここではリプトンを利用することによって「どういう経験を得られるか」ということをユーザーが認知するという風に説明します。

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例えば紙パックのリプトン。「ストローで飲む行為」「紙パックのぼてっとしたシルエット」が可愛らしく、中高生が好んで選ぶ印象が個人的にあります。2010年に学生服姿で剛力彩芽さんがリプトンを飲むCMとか懐かしいですね。「紙パック型」×「女子高生」=「かわいい」といったイメージを与えることで、紙パックリプトンが「女子高生を可愛くするアイテム」として選ばれるんですね。

そして社会に出て、ちょっと紙パックは仕事には合わない...。今度は移動しやすく、仕事をスマートにこなす自分に合った、スマートなデザインのペットボトルタイプを選ぶようになります。自宅で客人に出すシーンでは作る過程から空間をデザインし同じ飲み物で時間を共有できるティーパックタイプ、自分でリプトンをデザインしライフスタイルを発信したいという需要にはマイボトル型。

このようにして単純に飲料の成分や味ではなく、人や空間、時間のデザイン力で多くのユーザーを獲得しています。

キャンペーンの背景

さてここからキャンペーンについて触れていきます。

リプトンには "大切な人と繋がる豊かな時間を人々に過ごしてほしい" という思いがあります。ユーザーにそのメッセージを意識してもらうことで「リプトンを選ぶ理由」が強まり、メッセージが社会に浸透することによりまた選ばれやすくなります。

コロナの影響で人と会えない一年が続き、温もりを意識し始める冬という季節。「大切な人と繋がる」というメッセージを強めるには絶好のタイミングですね。

キャンペーンの特徴

メンション機能の活用 メンション機能とは「@アカウント名」で特定のアカウントを指名する機能です。インスタグラムはTwitterと違い、フォローアカウントの投稿しか出てきません。どういうことかというと、「いいね」などしても拡散されないってことですね。なのでメンション機能を使うことで特定のアカウントにキャンペーンに参加していることの通知をいれ、情報を広げていくんですね。

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画像の加工 投稿のルールとして、リプトンが用意した「メッセージカード」の画像に相手の名前とメッセージを書いて投稿するとなっていました。投稿の雰囲気や方向性が統一され、

イラストレーターとのコラボ 今回はイラストレーターの itabamoe さんとコラボしています。単純にコミュニティが広がって情報が多くに届きやすいですし、プレゼントに限定感が生まれてキャンペーンも盛り上がります。

実施の様子

キャンペーンにかかったコストは「(ギフト代+送料)×人数」で「¥2,800×130人=¥364,000」。画像を加工したインスタの投稿は150に満たないようでした。ちょっとコスパが悪いと感じてしまいました。(Twitterは投稿数を確認できませんでした・・・)

おそらく「リプトンの投稿画像に書き込んで投稿」という条件でつまずいたと感じます。いったんキャンペーンの投稿を保存する必要があるのですが、インスタやTwitterは他のアカウントの投稿画像をダウンロードすることができません。特定のアプリを使って保存することはできるのですが、まずそこで面倒くさくなってしまいますね。

このキャンペーンは第2回が実施されているようで次は「対象のリプトン製品の写真」と合わせてメンションなのでちょっとハードルは低くなりそうですね。(期間2020/12/1~2021/1/11)

考察

メンションというのはとてもキャンペーンのコンセプトと合ってはいましたが、「指定の画像を加工する」投稿の条件がちょっと難易度が高かったですね。それもあって投稿条件を簡単にして再実施した様子。

また、キャンペーンそのものの初期の認知も大切です。アカウントからのオーガニック投稿にだけではフォロワーにしか届かないので、インスタ広告でキャンペーンを認知させればもっとキャンペーンの効果が出たのではないでしょうか。初めの2週間出すとして¥2000/日で大体¥30000ぐらいで実施できそうですね。

またキャンペーンの投稿規模は狭かったですが、せっかくメッセージ性の強いキャンペーンを実施したので、「人の想いがつながるキャンペーンを実施した」という実績そのものを広告材料にTVCMなどを用いれば、第2回のキャンペーンの反響を強めることができるのではないでしょうか。

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