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【東京ダンス旅行 1.キゾンバ 】思い出した、熱い想い

久しぶりに東京へ

あの感動的な9月のKarga festivalから、早くも半年。

後もう一度はあの感動を再び五感で感じ切りたく、ポルトガルのキゾンバフェスティバルに、勢いで申し込んだ。
これが人生最後のキゾンバフェスティバルなる可能性もあるから、キゾンバフェスティバルで流れる全てのダンスを、ある程度マスターしておきたいと思った。

ただ残念なことに私が住んでいる地域では、東京や海外のキゾンバのパーティーで「タラーショ」の踊りはほとんど踊られることがない。対して、ヨーロッパでは皆、タラーショをガンガン踊る。

「なかなかTaraxxo(タラーショ) を習える機会も踊れる機会も少ないまま5月にポルトガルに行くのは、去年のスペインと何も変わらないんじゃ……?!それでいいの?……やっぱダメでしょ!」

少しでも自分の中で当時より成長したくなって、思い切って今回のタラーショイベントに参加してみた。

インストラクターは、世界的に有名なタラーショ、キゾンバダンサーのJah J’aとJeisy。タラーショもキゾンバもそれはかっこよく踊る、日本の至宝、Biina先生やKarthik、Jessica先生が主催してくれた、特別なイベント。
4つのダンスイベントや他の色々なことが毎日次々と舞い込んで来る中で、なかなかキゾンバと向き合える時間が取れないもどかしさはあるものの、3月に入るとワクワクが日に日に高まって来るのを感じた。

レッスン(Urban Kiz×タンゴ,タラーショ)

ドアを開けるとそこにいるメンバーは、当たり前だが、ほとんどの人が東京のダンサーだった。
でも主催の先生達や、去年のキゾンバフェスティバルに参加していた時に仲良くなった皆さんや、顔を覚えてくれていた方々が笑顔で懐かしそうに迎えてくれて、全くアウェイ感を感じずにWSに入って行けた。
地方人からすると、こういう歓迎がすごく嬉しかったりする!

WSは、いきなりとても高いレベルのステップから始まり、魂が喜んでいるのを感じる。
まるで5月の日本キゾンバフェスティバルや、9月のKarga Festivalの再来のようではないか!
1レッスン目は、タンゴ要素を入れたステップ。
タンゴを踊って来た者として、タンゴ要素を組み込んだ技をキゾンバで活かすことは、絶対にして行きたい所。
タンゴの技自体は結構すぐに飲み込めたが、それをどう美しくフォローできるかが、5月までの課題だろう。

2レッスン目はタラーショとアーバンを混ぜたWS。
経験というのは、悲しいほど身体や足に出る。
1レッスン目では常にある程度の自信を持って着いていけたのが、ノリでしか踊っていないタラーショでは、?が多くなる。
「まあ、いいや。自分の?を知って解決するために、ここに来てるんだしね」
WSが終わる頃には、ある程度楽しみながらそのステップが踏めるようになっていたから、不思議で嬉しいものだ。

メンバーは他のダンスの先生や、キゾンバフェスティバルでスポットライトを浴びていたダンサーさんをはじめ、趣味でも本気でキゾンバを踊り続けているダンサーがたくさん参加していたからか、レッスン中に音楽をかけて、習ったステップを使って自由に踊る時間はとても楽しかった!

そう。あの半年前のKarga festivalのように、レッスンから頻繁に音楽をかけて、ステップを使って自由に踊る時間が多いのだ。
当時、レッスン中に既にソーシャルで踊りたいと思った人がいて、既にそう思ってくれた人がいたことを、思い出した。

フランス人のJah J’aから 時々出てくるフランス語も、とても懐かしく感じた。
朝から晩までフランス語やスペイン語を浴びていた半年前が、ここでもよみがえって来た。
Jah J’aやJeisyが熱心にどんどん日本語を覚えてくれるのも、私達参加メンバーはとても嬉しかった。
1日目にして、当時4日間で私が覚えたスペイン語やフランス語よりも、俄然たくさんの言葉を覚えている。
私も次回仲良くなったダンサーの国の言葉は、もっと覚えようと心に誓った。

ブートキャンプ(タラーショ)

これが、今回の旅のメインの目的だった。
3つのタラーショレッスンを、一気に行う「ブートキャンプ」。
すごく、凝縮された3時間だった。

キゾンバが出来た頃にタラーショも既にあったのだと思っていたら、このダンスが独立して誕生したのはたった5年位前のようで、それまでのアーバンと混じったものとは形を変えて来ているようだ。
フランスの友人も夢中になっているこのタラーショには、歩き方も多彩な表現があった。
友人がシェアしてくれた動画の歩き方はもちろん、それ以外にも「マトリックス」や「ゾンビ」など面白いネーミングの歩き方もあり、女優気分になって楽しめた。

足の動かし方だけでも全く知らない表現が多くてびっくりしたが、足だけでなく顔や肩、胸でもビートを表現するのがタラーショ。
クラブで踊っているノリで踊り明かせてしまう音楽だが、本当の意味で取得するとなると、なかなか奥が深い。
1つ嬉しかったことは、3つ目のレッスンで出て来たレベルの高い技に、タンゴの動きと似たムーブメントがあったことだろう。
たまたま当たったリーダーさんもタンゴを踊る人で、
「タンゴに似てるよね、これ!」
「私もそう思います!」
と盛り上がった。

そうしてこの男性は、私の足をタンゴの技のごとく器用に扱い、楽しませてくれた。
このようにして他ダンスがタラーショやキゾンバで活きて来て「win-win」の効果が出た時、複数のダンスを細く浅くかじっているような私のようなダンサーでも喜びを感じられる。
今回の旅では全く時間が持てなかったタンゴは、再来週のフェスティバルで踊り明かそうと思う。

Jah J’a ,Jeisy ,Biina先生の、ビートを身体全身で表現した研ぎ澄まされたデモを見た後は、感動から、一時も早く復習したい気持ちに駆られた。
ただ私の住んでいる地方では、タラーショを練習する人がほぼいないのが現状だ……。
「復習、やりたくなるよね!やろうよ。東京、すぐにでもおいでよ^^」
私が練習したいと漏らしたら、センスのいい憧れのリーダーさんが、そう提案してくれる。
行きたい時にサッと東京に行けたらいいが、私は貧民なのだ。
この情熱と環境が兼ね合わない事実に、少し切なくなる。

この3日間でやったことを出来るように、5月までに東京に行けるかは神のみぞ知ることだが、とりあえず何度もビデオを見直して、ポルトガルに上陸したい。

新鮮かつ刺激的なソーシャル(party)タイム

昨年の日本キゾンバフェスティバルで、毎回30分以上、最後は一時間以上も踊り明かしたフランスのAとの再会はならず……。今回フライトチケットがうまく取れなかったAとの再会は、次回の楽しみにとっておこうとメッセンジャーで約束した。

これだけは残念だったものの、たくさんの東京や地方のリーダーさんがノリの良い、テンションの上がる音楽に合わせて楽しませてくれた。

東京の皆さんにとっては日常の延長なのかもしれないが、私にとっては、いつもとはまた違う人、環境で踊れることは、とても新鮮で楽しいものだった。
それは広島や四国など、地方から来ているメンバーさんにとっても同じようだった。
全国各地の地方メンバー同士で、
「遠くに行ってでも学びたい!」
という情熱を音と踊りを通じてぶつけあい、何曲も熱く踊り明かせたことも、とても良い思い出になった。

主催者のBiina先生、Karthik、Jessica先生も、疲れ知らずでどんどん踊ってくれる。
いつも優しく明るい先生達が、踊り出すと音楽に合わせて様々な表情やリードで私を魅了してくれる。特に先生達の18番であるタラーショの身体の使い方には、びっくりさせられっぱなしだった。
短時間で先生達全員と踊れたことも、本当に嬉しくラッキーだった!

また東京の女性フォロワーさんはリーダーも出来る人が多いことにも、びっくりした。
これだけ週に何度もレッスンやイベントがあると、恐らく本気度も変わってくるのだろう。
キレのいいリードは、男性リーダーさんもウカウカできないようなセンスの良さがあった。
東京女性ダンサーの皆さんのキゾンバ、そしてタラショ愛の深さにも、尊敬してしまう。

そして、今回のインストラクター、Jah J’aとJeisy とも踊ってもらえた。
Jeisy の踊りは、その時流れている曲の影響もあってか、とてもまろやかだった。
癒しや優しさを感じながら踊っていると、あっという間に数曲が過ぎていた。

そしてJah J’aとのダンスは、一言で言うとマジックだった。
自分が自分でなくなる瞬間は奇跡的に時々訪れるが、まさにその境地だった。
曲の影響もあり、稲妻のようなものを感じる瞬間もあった。
Jah J’aと一緒に、私まで稲妻と化したような時間、自分の身体が別人になったような感覚になり、数曲の間、私は私ではなくなった。
こういう瞬間があるから、ダンスや芸術はやめられないのだと思う……!
終わりに満面の笑みで
「merci!!」
と言うと
「Your dance was great !」といいね!ポーズをくれたJah J’a。
レッスンの時も、積極的に参加メンバーと組んで踊ってくれるのだが、レッスン中に踊ってくれた時も
「Oh,very good!」
と褒めてくれたりした。
リップサービスかもしれないが、やっぱり嬉しくて笑みが溢れる。
こんなに人を笑顔にするのが上手なJah J’a とJeisyが、ますます世界で活躍することを願ってやまない!

参加メンバーさん達との交流

去年フェスティバルに行っていたおかげで、アウェイ感が全くなくイベントを楽しめたのは、既に書いた通りだ。

今回も心優しい人の集まりで、スーツケースと一緒に会場にやって来て脱水症状寸前の私に,
パッとお白湯を提供してくれたり、Jah J’aとのビデオを一人のみならず、万が一の時のために…!と別の方も撮影下さった方がいたりと、参加者の皆さんの温かさにほだされた瞬間がたくさんあった。

お会いした方に
「去年のフェスティバルでコンペティション、出てましたよね!」
「お顔、覚えてました。また会えて嬉しいです!」
などと声をかけて頂くこともあり、私のキゾンバをどこかで見てくれていた人がいたことも、嬉しかった。
お互いにフェスティバルで顔を覚えていた方と、声を掛け合って再会を喜び合うこともできた時も、不思議な同窓会のようでこれまた笑みが広がった!

参加メンバーの中には、完全に初対面の方もいた。
タンゴやバチャータ、サンバなど、他のダンスからキゾンバも始め出したメンバーさんもいて、ダンスを掛け合うことの楽しさや難しさについて束の間語り合った。
スペインのKarga festivalのように、朝ご飯から晩ご飯までall inclusive だと、ますます仲が深まりそうな人がたくさんいて、もっと時間が欲しかった。

メンバーさんの中には、
「うん……?芸能人?ダンサー?何人?」
と目を見開くような、個性的なルックスの方も!
キゾンバフェスティバルでも見かけたことがなかっただけに、気になった。
これまた、この方はブートキャンプでの練習でも、楽しくリードをして下さるのだ。

休憩時間、たまたま近くにおられて自然にお喋りが始まった。
「遅れちゃったけど、ついて行けて良かった!」
「私達も遅刻しちゃったんです。でもリード、すごく楽しかったですよ!」
「本当?今回タラショ、初めてやったんだけど、それは良かった!」
タラショをやるのが初めてなのに、すごく素敵なリードで楽しませてくれるなんて、一体何者?とますます気になって来た。
個性的な人も大好きな私は、そこで思わず聞いてしまった。
「初めてなんですか、あれで?あの……とってもオーラがおありですけど、何かのダンサーさん……でしょうか?」
「(笑)はい。WCSってダンス、やってるんです」
「!!そのダンス、私も最近始めたんです!」
名前も個性的だったその方は、その後WCSを習っている先生やズークのお友達にたまたま話していると、WCS界の有名ダンサーだという!

知らないが故にボケたような質問をしてしまう所は、9月の「バルセロナ・ビーチ・ズークランバダフェスティバル」の頃のようで恥ずかしい限りだが、このボケた質問が良かったのか、その方はWCSイベントやグループにも招待して下さり、嬉しい限りである。
4月のWCSソウルオープンフェスティバルで、この有名ダンサーに会えるのも楽しみになって来た!

そんなこんなで、このイベントでキゾンバを愛して止まない皆様はじめ、色々なダンス界のダンサーさんとも再会したり仲良くなれたのも嬉しい収穫だった。

思い出した感情

キゾンバイベントに来た時に決まってご飯をする友人兼、憧れのダンサーがいる。
Yさん。
生まれて初めて、キゾンバがメインのイベントに行った時に、アシスタントとして色々教えてくれたYさんは、出会った日からカフェでオープンに色々なことを教えてくれ、その日から私のキゾンバアイドルの一人になっていた。

Yさんが私の住んでいる地域に来られる時は、事前に連絡をくれることも多く、互いの友人も誘って4人でご飯をしたりする中で絆は深まり、東京に行けた時にYさんとご飯をすることは、私の楽しみの1つになっている。

東京ご飯は今回で4回目だが、色々なことを笑いの渦の中で語り合った。
ヨーロッパキゾンバ界への憧れと情熱をYさんから聞いて、
「私も人生の内で一度は、ヨーロッパでペアダンスを踊ろう!」
と心に決めていたことを、懐かしく思い出した。

去年の5月、スペインに行くか行かないかで悩んでいた時も、Yさんは背中を押してくれた。
「人生一度きりだし……。死ぬまでにやりたいことリストは、出来ることから完了したらいいんじゃないかな!」
そうして行ったスペインで、私はダンス中毒にかかった。

Yさんと互いのヨーロッパでのキゾンバフェスティバルでの思い出を語り合っている内に、当時の感動、そして、「またあの仲間達とヨーロッパで踊るんだ」
と心に決めた情熱を思い出していた。
Yさんは
「それは、行くしかないね!もう一度、踊るために……」
と、今回も背中を押してくれた。
今回も一緒に行けないことだけが残念だが、Yさんが今フェスティバルに行けない分も、まずは私が情熱を燃やし切って来ようと思えた。

帰る頃に何度も嬉し涙が溢れ、
「ずっとキゾンバを踊り続けたい……」
と思った、あの頃。
ただ実際に帰国して日々を進めていると、状況はそんな簡単ではなかった。
実際の人生を円滑に歩んで行くために、また自分自身が追求すべきものを守るために、キゾンバやほとんどのペアダンスは、一旦この初夏で休止することになるだろう。
それは、当時夢見た通りではない。

でも、初夏のフェスティバルを2ヶ月前に控えた今、こうして東京のイベントに参加して、Jah J‘a達からKarga
、ヨーロッパのあのフェスティバルの空気感を思い出せ、そして皆さんから新鮮なエネルギーをもらったり、Yさんと語り合うことで当時の感情を思い出せて、せめてもう一度は、あのような忘れられない体験を人生で残そうという想いが、再び沸々と強まって来た。

ペアダンスという趣味を休止する前に、「4つのダンス全てのフェスティバルに行く!」という困ったプランを立てたから、なかなかキゾンバだけと向き合い、復習することはできない。
それでも、少ない時間でもやれるだけのことはやって行こう。

色々な感情と向き合えた、今回の東京キゾンバ、そしてタラショイベントに感謝したい。

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