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「難病になって何を学んだんですか....?」(6)

(写真は2016年8月に転院した病院の窓から見える東京)

「難病になって何を学んだんですか?」

こう聞かれることが、少なくありません。子供の時から元気で、風邪こそひいたことはありましたが、大きな病気も怪我もしたことがない私が、突然難病を発症したからでしょうか。きっと何か特別なことを学んだに違いない。そう思われているのかもしれません。

現在は寛解に至り、この話をわざわざしなければ難病を患ったことなど誰も気付かないと思います。

「紫斑病性腎炎」という腎臓の病気なので初期の「紫斑病」の部分が終わると、全く痛みを感じない闘病生活でした。初回の入院を終えて、「扁摘パルス療法」という扁桃腺の摘出とステロイド治療のため転院しました。そこで治療のために8回入院することになりました。

ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健(たかざわたけし)です。
難病を発症して何を学んだかと尋ねられることが少なくありません。
これを読んでくださっているあなたの成長のために何らかの刺激になればと願ってしばらくシリーズで書きたいと思います。

尿検査と血液検査

腎臓のみの病気であれば、痛みはなく症状は血尿と蛋白尿です。私の血尿の量は、検査で測る値を大幅に超えた量の血液が尿に含まれていたのです。炎症が激しかったと言えます。加えてタンパク質が尿に混入するという症状があります。これらを調べるために尿検査を定期的に行います。

加えて体内の血液は全て腎臓を通り抜けるわけですので、血液検査を通して、腎機能を調べることも定期的に行われます。多種多様な副作用のあるステロイド剤を使用する治療であるため、血液検査で副作用を調べることもします。

私はステロイド剤の投与による「糖尿病」になり、血糖値を図りインスリン注射を日に4回注射するという副作用にも取り組まなければなりませんでした。

数値に浮き沈みする気持ち

痛みを感じる病との闘病ですと、痛みが軽くなることによって快方に向かっていることが実感されます。しかし、腎臓の場合痛みのない闘病生活ですから、検査の数値がたよりになります。

私の数値は血尿、蛋白尿もなかなか下がりませんでした。闘病5ヶ月後に一旦数値が下がったように見えて、このまま寛解かと思われましたが、再度数値は悪くなってしまいました。

炎症が続いてある一定のところを超えてしまうと回復できなくなり、腎機能低下を遅延させる治療になります。そしてその向こう側には「透析」という後戻りのできない状態になるわけです。

数値がなかなか下がらない時に、主治医の先生に言われました。

「髙澤さん、踏ん張りどころだな。」

私は「はい」と言ったもののどうやって踏ん張れば良いのか、良くわかりませんでした。自分ではどうしようもなく、忠実に薬を飲み続けるぐらいのことしかできませんでした。

その次の診察で、数値が余り良くありませんでした。

ところが、主治医は

「髙澤さん、随分良くなったなぁ」

というではありませんか。

私:「えっ、先生。今日の数値全然良くないですよ。」

主治医:「髙澤さん、どこ見てるの?」

「これ見てみなさい」と言って病気を発症した直後の数値からその時までの数値を時系列で示した表を見せてくれました。

そして「トレンドを見ないとダメだよ。一回一回の数値見てちゃダメ。最初からすれば、こんなに良くなっている。」

それを聞いて私は「そうか」と納得させられたのです。

で、何を学んだの?

時系列でトレンドを見ると言う視点がなかったのです。一回一回の数値を見ては、喜んだり、落ち込んだりしていました。つまり、近視眼的なものの見方しかしていなかったのです。

よく考えてみれば、学校生活で一回一回のテストの点数学期ごとの成績だけを見て一喜一憂していたな、と思い出しました。

内面的成長についてもトレンドを見る必要があることを知りました。時間軸の中で、より成長しているのか、後退しているのかを見るべきです。

成長は直線では表せない。
だから、成長曲線と言う。
そして、上がり下がりをくり返しながら
最終的に指数関数的な曲線を描く。

あなたは何かの数値に一喜一憂していることはありませんか?

時系列のトレンドを見ながら、どのような変化が見られるのかに目を留めてはみませんか?

ここまで、読んでくださってありがとうございます。今回はここまでです。少しでも役に立ったのであれば、スキ、フォローもお願いいたします。


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