芸術文化講座『写真の見方~現代写真を楽しむための手引き~』アーカイブ映像のご紹介
こんにちは、『T3』広報の岩田です。
本日は、先日8月17日(水)に「京橋彩区」にて実施された芸術文化講座「第32回 写真の見方 現代写真を楽しむための手引き」について紹介させていただきます。
「京橋彩区」とは?
「京橋彩区」は、株式会社永坂産業と戸田建設株式会社が、京橋エリアで手がける開発街区のうち、文化貢献施設部分の総称。
「ミュージアムタワー京橋」、「(仮称)新TODAビル」という2つのビルの文化貢献施設と、中央通りに沿った間口120mの広場から成り立っています。若手芸術家の活動を支援するスペース、多目的イベントホールなどを整備し、広場では様々なアート・文化イベントを開催しています。
芸術文化講座とは?
「京橋彩区」で定期開催されている「芸術文化講座」は、「アートと文化が誰にも近い街」を目指し、「アートと生活」をテーマとして、芸術や文化に親しんで頂くきっかけを提供する講座です。各分野の専門家が、アートがはじめての方々にやさしく語りかけます。
詳しくはこちら
芸術文化講座「第32回写真の見方 現代写真を楽しむための手引き」
2022年8月(第32回)は「写真のみかた ―現代写真を楽しむための手引き―」では、「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO(東京国際写真祭)」のファウンダーの速水惟広さんと72Gallery ディレクターの鈴木雄二さんが講師として登壇されました。テーマは「写真の見方」です。
講座概要
日時:2022/08/17 (水) 18:30~20:00
会場:「オンライン講座」としてYouTube配信
参加料:無料
登壇者:
T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO(東京国際写真祭)ファウンダー 速水 惟広 氏
72Gallery ディレクター 鈴木 雄二 氏
講座内容
「写真」と聞いて想像するものはなんでしょうか。SNSで見かけた絶景、あるいは決定的瞬間。はたまた家族や友人と撮影した記念の1枚。広告、証明写真、監視カメラ、google street view…あたりを見回してみると、写真はそこら中に溢れています。スマートフォンの登場により、1人1台カメラを持つ1億総カメラマンと言われた時代は、既に過去の話。今や、写真は社会のインフラそのものと化しています。写真の存在意義が変化しつつある中で、アーティストたちはどんな作品をつくり、そしてどのような作品が注目を浴びているのでしょう?写真の見方が変わったとき、世の中を見る目線が変わってしまう、かもしれません。
講座のアーカイブ映像はこちら
再生ボタンをクリックすると動画がはじまります。
講座の見どころ
皆さんは、「優しい気持ち撮ってください」と言われたら、どんな写真を撮りますか?
私は、この質問を受けて頭に浮かんだのは、3歳の娘が、ぬいぐるみの頭を優しくなでなでしている様子でした。
ですが、そういった「瞬間」を撮影できる事は、なかなかタイミングが難しい。
その瞬間に、一眼レフカメラを手にしている事がまず無いです、大体がスマホ撮影(汗)
スマホでの撮影が当たり前の時代に、現代の写真作家達はどのような表現をしているのか?というのが、今回の講義のテーマです。
まず、私達、写真作家ではない人達にとっての「写真」に関する一般認識についてお話がありました。
次に、「写真作家」にとっての認識。
これは、「速い写真、遅い写真」という捉え方があるそうです。
解説の中で、まずご紹介いただいたのは、
写真作家「アレハンドロ・チャスキエルベルグ」氏の作品『OTSUCHI Future Memories』について。
彼は、国際的に写真家の一人で、アルゼンチン・ブエノスアイレス出身の写真家です。
彼が、岩手県中部の大槌町という小さな町に滞在し、大判カメラを使った夜間の長時間露光撮影という彼独自の撮影スタイルで、町の人々のアイデンティティをとらえた幻想的なシリーズが、『OTSUCHI Future Memories』です。
このシリーズの写真の多くは、モノクロの部分と独特の色調のカラーの部分が混在しており、不思議な雰囲気に包まれています。
元の写真は、解像感を保つために大判のモノクロフィルム(4×5インチ)で撮影されたモノクロ写真。そのモノクロ写真をデジタル画像として取り込み、デジタル処理で部分的に色をのせていきます。これは、今を生きている命ある被写体には着色を施し、廃墟となった過去の記憶は元画像のモノクロのままにすることで、未来に向けて生きる住民たちの力強さを伝えるための表現、になっているそうです。
ひとめ観ただけで、心がグッとつかまれて。
目が離せなくなるような、印象的な一枚ですよね。
次の解説の中では、写真作家「宇佐美雅浩」氏の作品『Manda-la』シリーズが紹介されました。宇佐美さんは、2015年に現代美術の世界にデビューした写真家です。
作品上に中心人物とその人の世界を表す物や人々を周囲に配置することから、仏教絵画の「曼荼羅」をイメージし名付けられたそうです。
まるで絵画のような美しい一枚に、目が釘付けになりました。
これが一発撮影だったなんて、更に衝撃です。
https://mizuma-art.co.jp/exhibitions/1503_usamimasahiro/
この他にも、印象的な作品とともに「写真の見方」を丁寧に解説してくださっています。どんな作品が紹介されているのかは観てからのお楽しみです。
是非、アーカイブ映像をご覧ください。
あとがき
今回の講義を通して、写真作家達にとっての「写真」というのは、捉えられないものを捉えて、アウトプットするための手段なのかな、と言う風に思いました。
作家さんが作品を作る過程や想いを知る事で、より、その作品を深く、じっくりと味わう事ができる。
写真を楽しむためには、作家や作品への興味と知識が必要で。
その知識があるからこそ、もう一歩踏み込んだ、見方ができるのだな、と、思いました。
「T3」開催まで、あと残り1か月。
広報として、作家さんの知識を蓄えつつ。
ワクワクしながら、開催に備えたいと思います。
今年度、「T3」第1弾作家発表情報は、こちらです。
今後も、「T3」がもっと楽しくなる情報を定期的にお届けします。
是非、noteの「フォロー」をポチッとお願いします。
それでは、またお会いしましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?