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ナショナルチームでは輝かない天才の黄昏~メッシとレバンドフスキ
2022年のワールドカップでは、稀代のフットボーラー2人の活躍が期待されている。
いや、期待というより「どれだけやれるのか好奇の目に晒されている」という方が正確かも知れない。
その2人とは、リオネル・メッシとロベルト・レバンドフスキだ。
輝かしい戦績を誇るメッシも、W杯のタイトルが欲しい
説明不要かもしれないが、一応、世界最高峰のサッカー選手の輝かしい戦績を列挙すると:
FCバルセロナでクラブ歴代通算最多得点(672ゴール)で、クラブ歴代最多タイトル(35回)獲得に貢献(2004~21年)
37試合で50得点のリーグ最多得点記録(2011-12シーズン、スペイン記録、欧州リーグ記録、ギネス世界記録)
歴代最多年間ゴール記録(2012年、公式戦69試合で91得点)
6度の欧州チャンピオンズリーグ得点王(2008/09~11/12,2014/15,2018/19シーズン)
歴代最多の7度のバロンドール受賞(2009,10,11,12,15,19,21年)
もう、アホほど活躍している。
それに比較して、以下はナショナルチームの戦績。
2005年からアルゼンチン代表、2010年からキャプテン。歴代最多出場数、得点数、アシスト数をいずれも更新中
2005年ワールドユース優勝。個人もMVP、得点王受賞
2008年北京オリンピック優勝
コパアメリカ2021優勝。個人もMVP、得点王、アシスト王受賞
W杯南米予選歴代最多得点(通算21ゴール)
メッシが出場した最近のW杯本戦は、2006年ベスト8、2010年ベスト8、2014年準優勝(個人もMVP受賞)、2018年ベスト16
「画竜点睛を欠く」とは、このことか。
唯一掴んでいない栄光が、W杯の優勝である。
マリオ・ケンペスの1978年、ディエゴ・マラドーナの1986年以来、アルゼンチンは随分優勝から遠ざかっている。
ここ4回のW杯において、アルゼンチンが「優勝に最接近した」のは、2014年大会だった。
南米ブラジル開催の大会であり、メッシ自身もMVPを獲得するほど好調でありながら、ファイナルで敗れた。
(ちなみにこの時のドイツは、欧州チームが南米大会で優勝した「唯一の例外」である。)
彼ほどの選手が感じた屈辱、悔しさは、いかばかりであったことだろうか。
現在35歳という年齢を考えると、5度目の出場の今回は、彼にとって「最後のワールドカップ」になるだろう。
もう、悲願としか表現できないほど、優勝を渇望しているに違いない。
しかし、何ということだ。
初戦で、アルゼンチンは伏兵サウジアラビアに1-2で敗れてしまう。
サウジアラビアは、シュート3本で2ゴールを挙げた。
対するアルゼンチンは、メッシのPKで1-0と前半リードして折り返すものの、後半はノーゴール。
報道によると、アルゼンチンがワールドカップ本大会で前半のリードを守れず逆転負けしたのは、第1回ウルグアイ大会の決勝戦以来92年ぶり、だそうだ。
このままでは、グループリーグ突破も危うい状況である。
しかし、諦めるのはまだ早い。
2010年南ア大会では、初戦で敗戦を喫したスペインが、見事に初優勝を飾ったではないか。
メッシの、そしてアルゼンチンの奮起と大逆襲に、期待しよう。
最高のストライカー レバンドフスキは、W杯で得点なるか
ロベルト・レバンドフスキは、、2022年現在、世界最高のフォワードだと思う。個人的に。
彼の戦績も輝かしい:
ブンデスリーガ得点王 :7回 (ドルトムント:2013/14, バイエルンミュンヘン:2015/16, 2017/18~2021/22)
Bミュンヘンでは375試合で驚異の344得点を挙げ、ブンデスリーガ連続優勝に大きく貢献(2014/15~2021/22の8シーズン)
ブンデスリーガシーズン歴代最多得点:41 (2020/21)
ブンデスリーガ最優秀選手賞 : 2回 (2016/17, 2019/20)
欧州チャンピオンズリーグ得点王 : 1回 (2019/20)
UEFA欧州最優秀選手賞 : 1回 (2019/20)
ゲルト・ミュラー・トロフィー(クラブと代表の合計最多得点) : 2回 (2021, 2022年)
2022年に移籍したFCバルセロナでも、ラリーガ10節終了時点で10得点と、絶好調
ところが、彼もまたナショナルチームではパッとしない。
2008年代表初招集、歴代最多得点記録(134試合で76得点)を更新中
自国開催の2012欧州選手権は、開幕戦でオープニングゴールを挙げるも、ポーランドはグループリーグ敗退(最下位)
2016欧州選手権はポルトガルに敗れベスト8
2020欧州選手権はグループリーグ敗退(最下位)
2010、2014年のW杯は予選敗退で本戦に進めず
2018年W杯は本戦出場。最終戦で日本に勝つも、2敗の最下位でグループリーグ敗退。自身も無得点
という訳で、何と彼ほどのストライカーが、W杯では未だ無得点なのである。
そして迎えた、彼自身の2度目のW杯である。
初戦で、ポーランドは試合巧者メキシコと対戦。
後半8分。
レバンドフスキがボックス内で倒され、VARの結果、PKの判定。
もちろんキッカーは、W杯初ゴールが獲りたいレバンドフスキ。
千載一遇のチャンス到来。気がはやる!
対峙するのは、W杯5大会目、百戦錬磨の37歳GK、オチョア。
結果は、何と!
オチョアが、完全に自分の間合いに呼び込んで左に飛び、レバンドフスキの初ゴールを、鬼の阻止。
レバンドフスキも、34歳。
これが「最後のワールドカップ」になるかも知れない。
そもそも、ポーランドのナショナルチームには有能なパサーが居ない。
チーム自体の得点も、少ない。
そこへきて、メンタルに効きそうな「PK失敗ショック」である。
彼の今大会の活躍は、果たしてあるのだろうか。
それにしても、何が起こってもおかしくないのが、W杯の舞台だなぁ。
興味は尽きぬ。
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