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【学び⑭冊目】会計の基本教科書 中尾篤史

この本を手にした理由。

まず私は、内定先で、会計を仕事として使うことを予定しており、そのために簿記の2級の取得に向けて勉強を進めています。しかし、簿記の勉強をしながら感じたのが、スキルの部分を学んでいるものの、そのスキルが会計という分野全体においてどういう位置付けなのかをイマイチ把握していないまま、スキルの習得をしようとしているということです。ましてや、大学での専攻も会計ではなく、会計の学習を始めたのも大学4年生になってからのことなので、なんだか、「総論」を知らないまま、簿記という「各論」を勉強しているという不安感がありました。なので、簿記の勉強を進めながらも、会計の全体像も学びたいと思い、この「会計の基本教科書」を手にしました。

会計の種類

会計には、大きく分けて財務会計と管理会計の2種類が存在します。財務会計は、法律によって定められた規則に基づいて作成され、基本的には過去の実績を記録する際に用いられます。これに対して、管理会計は特に決められたルールが存在するわけではなく、会社が自由に設計して作成して良いものとなっています。そのため、財務会計が、外部に向けた会社の数字であることに対して、管理会計は、社内のメンバーや経営者に対して将来の意思決定のための材料として提供するために作られるのです。

また、管理会計は作成することが義務ではありません。若い会社などは手が回らないことも多々あるようです。また、以前親が役所に公務員として勤めていたことがあるのですが、役所でも管理会計は取り扱っていなかった、とのことでした。一般の会社などと比べ、数字を用いた利益戦略などの意味合いが薄いことが影響しているのでしょうか。

財務3表

簿記を勉強している人の場合、すぐにピンとくるでしょうが、財務会計には3種類の書類があり、これらをまとめて財務3表と呼びます。

まず1つ目の、損益計算書は、会社の儲けに関しての成績表のようなもので、他の会社と比較し、自社がどのくらいの儲けを出しているのかを知ることができます。基本的な利益の考え方は、利益=収益―費用の式により計算され、計算された1年間の会社の儲けを損益計算書で知る事ができるのです。

2つめの決算書の貸借対照表は、会社の過去と現在を俯瞰して見ることができ、簡単に言えば、今、会社の財産がどのくらいで、借金がどのくらいあるのかを読むことができる財務諸表で、通称、バランスシートとしても知られています。


3つ目の、キャッシュフロー計算書は、お金の儲けの成績表である損益計算書に対して、お金、こと現金の流れに着目した決算書で、会社の現金を産み出す能力を計ることができます。最近になってこのキャッシュフロー計算書がかなり重視されている理由は、いくら儲けがでていたとしても、実際にすぐに使えるお金(現金)が動かない限り見栄えだけ良くても、実際に身動きが取れないからです。過ぎに使えるお金は、はビジネスには不可欠です。無い袖は振れないからです。

まとめ

内容としては、簿記3級程度の知識がある方、もしくは会社で働いた経験がある方であれば、大半は理解することができるものだと思います。しかし、「基本の教科書」とはいえど、まだ簿記やビジネスの勉強をしたことがなく、会社での就労経験が無い人にとっては、少し読み奨めるのが難しいかも知れません。そういう方の場合は、まずビジネスそのものを俯瞰できるような簡単な入門書のようなものを読むか、簿記3級の勉強をしてみてから、読んでみるとより理解できるようになると思います。自分の場合は、簿記の予備知識やインターンでの就労経験があったため「ビジネス書」というような硬い感覚を感じることなく、読み進めることができました。会計という分野が、経理部門にのみ独立して存在するものではなく、いかに経営全体に関わり、重要でかつ面白い分野であるかを知ることができる1冊です。自分のように、簿記の勉強をしているけど、会計の全体像がつかめていなかった、という方にも是非オススメの1冊です。

今日も読んでくださり、ありがとうございました!!




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