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vol.102「AIと人間の棲み分けについて考えてみた。『未来予測は当たらない』問題」

AIの研究開発が進んでいます。特に「無料または安価で、手近で使えるもの」のレベル、精度が、10年前と比べると大きく変わってるなと思います。
どう棲み分け、人間は何の能力を磨いていけばいいのか。「頭の中に置いて、定期的に考えるテーマ」のひとつです。

◆「科学技術の未来予想」は当たらない。

まず、科学技術の発展に関する未来予想は当たらないものなので、その前提で、「それでも考えてみることに意味がある」という立ち位置です。
昔のSF映画を見ると、「宇宙旅行」「タイムマシン」「人間以上の人口知能」は三大テーマだけど、現在のところ実現していない。実現したこと(小型化や高性能化)も「いつ」「どの程度」がなかなか当たらない。

次に、AIが最も得意なのは 記憶と計算と高速処理です。
例えば、「現在の状態」がデジタル=有限で、「次の選択肢」もデジタル=有限で、ひとつずつ進んでいく。プレイヤーが2人で一回ずつ交替でアクションする将棋や囲碁のようなものは、AIが最も得意な状況です。そのため、人間が勝てることはもうありません。
ポイントは、「一度AIが勝つと 人間が再逆転することは二度と起こらない」ことだと思います。

ChatGPTに代表される言語処理も同様で、「テキストデータを受け取って、もっともらしい答えをテキストデータで瞬時に返す」のは、AIが最も得意なことです。

◆AIが、比較的苦手なこと。

裏返すと、AIが比較的、まだできてないこととしては、「質問すること」があります。
AIは質問を受けてそれっぽい答えを返しますが、「まだ答えを出していない人間が、考えを整理するのにちょうどいい質問を投げる」こと。ほどよい難度で、ほどよく抽象化された質問を、個々人にカスタマイズして投げるのは、AIがまだできていないと思います。

もう一つは、「感情的になる」や「口ごたえする」。
質問されてないことに勝手に答えたり、頼まれていないのに苦言を呈したりすること全般が(人間の質問に答えを返すよりは)苦手です。
また、「言われてむっとして、黙り込む」「三日ぐらい口をきかない」といったこともあまりできていません。もしくはできても、こちらがコマンドを出してそれを実行する。つまり、こちらがそのことをあらかじめ知っている、予測できてしまう状態。要は、「想定外の行動を取る」のが苦手です。

◆ドラえもんは何を提供しているのか。

いま言ったようなことは、漫画では実現されていて、究極の姿のひとつが「ドラえもん」だと考えています。
ドラえもんが提供している最大の価値は、「問題解決」ではなく「感情処理」です。
ドラえもんの造られた、22世紀の科学力なら、のび太が学校から帰ってきた瞬間に、「なんで泣いていて 困っているのか」がわかるはずです。その場で最適な道具を取り出すことができると思います。
しかし実際には、彼はそうせずにまず話を聞き、確認の質問をしながら道具を取り出します。その道具もすべてを円満解決するわけではなく、結果、別の問題が発生したり、のび太が新たなトラブルを起こして、最後にドラえもんに怒られたりします。
つまり、ドラえもんの提供している最大の価値は「不完全さ」であり、「のび太の思い通りにはならないこと」。要するに、「独立した別の人格」が、ドラえもんの一番目の価値であって、未来型ロボットであるとか、すばらしい魔法の道具をポケットから出すことは、その次の価値だと思います。

◆人が残して鍛えるべき領域。

以上を踏まえると、人間がAIと分担して磨くべき能力は、不完全で感情的に答えを返したり、言い合ったりすること。聞かれていないことに答えたり、頼まれていないのに説教したり、耳の痛いことや相手が言われたくないことを言う。しばらく無視したり、意見を頑固に変えない、といったことです。
これらが人間が残すべき能力であり、別の言い方をすると、コンサルタントのような職業が将来も続いたとして、「引き続き、人さまにお金を払ってもらえる能力」だと思います。

私も、コストを投じて勉強していることは、いま言ったようなことです。コンピューターに任せたほうがいいことは捨てて、自分以外の専門家が既にたくさんいるような分野も避ける、相手の中に答えがある。本人に気づいてもらったほうが効果が高いことを、質問を投げる。感想を、感情を交えて言える。そういう技術に絞って学んでいます。「自分の意見を常に持っておく」こともそのひとつですね。

以上、「AIと人間の分担」、要約版でした。

(iPhone音声入力+推敲にて作成)

この記事は、StandFM用に話した「AIと人間の話」が長くなりすぎたために「要約版」として喋りなおした内容を元にしています。

要約版、また各詳細編をお聴きいただける方は、1.2倍速くらいで聴いていただけるとちょうど良いかと思います。途中 詰まったり、ゆっくり考えながら話しているので、早回しで聴いてみてください。


短く話しましょう。
最初に結論を話しましょう。
頭のなかで箇条書きをイメージして話しましょう。

「こうしたほうがいい話し方」を、知識としては知ってるけど、まあそう上手くはいきません。上記は、内容の手直しはあまりしてないけど(読みやすさのため、誤記の修正はしました)、3回撮り直しして、4回めの収録でした。

最後までお読みくださりありがとうございます。



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