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踏み込んだ分だけ、踏み込んでくれる。それは怖さでもあり、優しさでもある。


全てを知っているのが親友だと思っていた。

でも、違った。

全てを知っているのが親友ではない。

お互いに全てを言わない事は、相手を思いやった優しさでもある。

自分の苦しみは、自分のものであり、相手に見せなくても良いものである。

また、それを見せる事は、どんなに仲が良くても怖さがある。

勇気を持ってどこまで相手に踏み込んだか。

どこまで自分をオープンにできたか。

それによって、相手を知る深さが変わってくるのだと、今日知った。


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親友が、はるばるバスで14時間かかる所から会いに来た。この記事で書いた友だちだ。

私はHSP(繊細さん)の性質もあって、他人と3時間以上一緒にいるのが辛いと感じてしまうのだが、この親友だけは特別で、今回4日間を共に過ごした。

楽しいながらも、やっぱり少しキツイなぁと感じる事はあったが、幸せでもあり、もてなしたい気持ちでいっぱいだった。

最後の日の夜、彼女が薬を飲んでいるのを見て、

「いつもその薬を飲んでるの?」

と聞いてみた。

その質問は、私の中では結構勇気がいった。たぶん、私が聞かなければ彼女は言わないからだ。

「んーーー、これ?生理が来なくする薬だよ。私、子宮筋腫なんだ。子宮にできる良性のこぶだよ。生理の時大量出血して痛みと貧血で大変なんだぁ。子宮を取るのはまだ迷ってるから、薬で抑えてる感じだよー」


ちょっと、考えてからサラッと教えてくれた。

どんな症状なのか、どんなことに困っているのか、私が解るように教えてくれた。

びっくりしたけど、彼女の困っていることを一つ、教えてくれた事が嬉しくもあった。

たぶん、彼女は隠していたわけではないと思う。聞けばいつだって教えてくれたはずだ。

こちらが踏み込んだ分だけ、返してくれる。それが彼女だったから。

でも、踏み込むのが怖かった。


彼女はお姉さんが若くして亡くなった時だって、言わなかった。苦しいことほど、人に背負わせないようにする。

私が共感しやすいことを知っているから、よけいに。


私は悲しいニュースや情報は、ほぼ遮断している。

でも、あなたにだけは、踏み込む勇気を持ちたい。

私の苦しさを見せる勇気を持ちたい。

踏み込んだだけ、踏み込み返してくれる人だから。


苦しみを教えてほしいと想える、そんな人がいることを、本当にありがたく思う。



そんな夜でした。




#親友 #エッセイ #大切なこと #多様性を考える

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