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アイシナモロール、良い

 先日、個人的なきっかけを通して、サンリオキャラ「シナモロール」を愛でるようになったとnoteに書いた。そこで紹介した書籍に関して、その後の感想・追加情報としては、イラスト集としてのみならず、スピノザの文章をこう読解するのか、という理解の深め方も可能であるため、買ってよかったと思っている。

 とはいえ、グッズを見つければすぐ購入、というような熱心なファンではない。あくまでもお気に入りのキャラとして接し、日々、目に触れる機会を増やしてゆくと、「そういえばたまに見かける、顔の違うシナモンは何なのだろう」と感じることがあった。ネット上に作画が違うシナモンがいる。なんだこいつは。

 その名も「I.CINNAMOROLL」(アイシナモロール)。
 なんと、パラレルワールドのシナモンなのだ。
 基本設定では、空を飛んでいた子犬(シナモン)が、とあるカフェで過ごすようになる、というものだが、このアイシナモロールは、その出会いを経なかった場合を描いている。
 単にデザインがオシャレなわけではないのだ。
 こちらは、どこかクールなシナモンではあるものの、淋しさは感じられない。インドア・アウトドア趣味のいずれも幅広く挑戦して、一人を満喫しているから。かわいいやつめ。
 なおその他の登場キャラクターも従来とは異なり、「ミルク」というキャラしか出てこない。

 サンリオというメルヘンな世界から得られる癒しもあれば、このように現実チックなシナモンというのも、僕は癒される。流石はサンリオ人気ランキングでも不動の上位。IPが熟成しているからこそ、公式から二次創作が誕生する訳だ。
 ここに紹介しているアニメは第8話だが、特に連続性はないのでどれから見てもいい。いずれも2分弱で、執筆時点で18話までYouTubeに投稿されているので、全然今からでも追っていける。

 ところで、二年前に僕は、シリアス要素が多いことを、リアルであると評価する事が世間で定着しつつあることを書いている。
 ちなみにそこで例として挙げた漫画『ルックバック』がちょうど、劇場アニメ化決定が発表された。
 いずれも架空のフィクションではあるが、おとぎ話(メルヘン)が嗜好品として存続しつつ、一方でシリアスな描写によるカタルシス効果を期待することも、少なくないと思われる。
 
 アイシナモロールが巧みなのは、「とある都市に降り立ち、いろいろあったのちに自立したシナモン」と、曖昧な説明で留めているところだと感じた。
 サンリオや癒しキャラとしての側面を無に帰さず、受け手の想像に委ねる意味もあろうし、また多趣味であることからも、個々人にとっての「アイシナモロール」が再び形成されるようになるのだ。
 その特定の趣味にアイシナモロールが出会ったきっかけは、“わたし”と一緒なのでは、と思いをはせる余地があるというわけだ。


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