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知識の最大化を志すうえで

 今、アヴリル・ラヴィーンさんの曲を聴いてみている。
 なんとなく元々ある印象は、美人な方だなというくらいで、クラシックやアニソンばかりを聴く僕にとって洋楽、そして流行りの曲は意識的に距離を置くジャンルでもあった。
 少し前に彼女のファッションに再注目する瞬間があった。適切なカテゴライズは知らないが、あのゴスともガーリーとも決め難い一種、ラヴィーン風とも言うべきファッション。
 2000年代的な強さと脆さとを兼ね備えたその在り方に、どこか惹かれるところがあった。というか、画像検索によって見直してみると、ブロンドもさることながら、目元のメイクが印象的なのか、と気づかされる。
 単なる社会との距離を取るムーブではなく、自己主張として機能しているパンクといった感が僕にはある。僕はそういう着こなしこそ、ファッションリーダーなる人に求められる部分だと思う。

 さて、そんな見た目の話しかできないほどの距離感であったはずの彼女について、こうして筆をとっているのは、中古CDで裏ベスト的アルバムとも評される「エッセンシャル・ミックス」なる輸入盤を見かけたのでせっかくと思い、買ってみたからに過ぎない。
 めざましテレビか何かで一時期よく聞いた覚えのある有名曲や、昨今では猫ミームによって使用された『GIRLFRIEND』などが収録されている。

 思えば、この頃はジャズ(『Just the two of us』)や洋楽(『Perfect Day』)の中で好んで聴く曲もちらほらある。
 限られた時間の中で、なるほどクラシックとアニソンの造詣などを深めるというのも有意義ではあろうが、個人的にはそれよりも見聞を広めて「あれも良いし、これも良い」といった具合に視野狭窄にならない方が健全に思える。そもそも僕が憧れたホームズなどは「あれも知っているし、これも知っている」人物であった。
 研究者としてではなく、教養人・知識人としての姿勢をあくまでも目指すならば、ジャンルの垣根を越えて、自身に響くモノを探し続けることが求められるであろう。

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