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【新刊紹介】ハンティングやジビエにまつわる1000語超を収録した、これまでなかった狩猟の用語事典!


書名:『狩猟用語事典』
判型:A5判(並製本)
頁数:304
価格:3,080円(税込)
発売日:2022年12月17日

 東西南北に広がる日本列島では、狩猟(ハンティング)用語は全国共通のものから、地域特有の呼び方や隠語なども含めると実に多彩です。「冬眠」「引き金」「牡丹(ぼたん)」「紅葉(もみじ)」といった狩猟をしない人にも通じる用語から、「アマッポ」「オンタ」「バックストップ」「タツマ」など狩猟者ならよくわかる言葉も存在します。

 それに「けもの道」という用語ひとつとってみても、「ウツ」「ウジ」「トアト」「トウリ」「トオ」「道」「国道(使用頻度の高いけもの道の意)」などの呼び方があります。

 現在、狩猟用語についてまとまった最新の文献がないことから、本書の企画・編集はスタートしました。狩猟に関する一般用語、動物、猟銃・射撃、わな猟、網猟、猟犬、刃物、ジビエや解体、皮なめしなどについて、思い浮かぶ限りの言葉を採集し、写真や図版などを適宜入れて用語の補足もしています。

Part1「狩猟用語事典」には、図版や写真を所々に挿入しています

 動物に関しては、狩猟鳥獣46種(2022 年度猟期現在、獣類20種+鳥類26種)はもちろんのこと、見た目が似ている非狩猟鳥獣もできるかぎり収録しました。狩猟鳥獣は生息数の増減や環境の改善・悪化など時代によって増減があり、現在、指定されている鳥獣であっても、突如指定が解除されたり、逆もしかり。狩猟界に身を置くハンターであれば、狩猟鳥獣以外の動物について知っておいても不都合はないと思います。

あの「ベルクマンの法則」も!

 そして、「狩猟にまつわる知識集」として、猟銃・射撃・銃猟、わな猟、網猟、ジビエといったテーマを後半にまとめました。たとえば、リンゴの皮をむいて食べる人と、むかずに皮ごと食べる人がいるように、狩猟の世界においても狩猟者ごとにアプローチはさまざま。本書で紹介している猟法はほんの一部にすぎませんが、狩猟者ごとに流儀や哲学があってどの方法で臨むか好みが分かれます。
 イノシシ猟でも銃猟とわな猟で獲物へのアプローチが異なり、さらに単独猟なのかグループ猟なのか、地域によって積雪があったりなかったり、地形の高低差があったりなかったり、山の植生の違いや獲物が食べる餌なども多様です。
 違法なものや危険なもの、マナーに反するものなどを除いてどのアプローチ方法もある意味で正解といえますが、多くのデータを取捨選択して、臨機応変にその地域でベストな猟法をとれる狩猟者がやはり良い結果を出していると思います。

Part2「狩猟にまつわる知識集」

 狩猟にまつわる様々な用語は実践している狩猟ジャンルによって変わり、たとえば、ヤマドリ猟をしない人にとって「沢下り」って何だろう?と思うかもしれません。
 しかし、実際にヤマドリ猟に行った時に沢を上り詰めた最奥から突然ヤマドリが飛び立って、ハンターの頭上をシュッとかすめて川下へ飛び去っていった姿を見て「あぁ、これが沢下りなのね」と言葉と経験が一致します。

 狩猟用語は狩猟経験を重ねていくうちに少しずつ覚えていくものですが、本書は狩猟者だけのものに非ず、実は非狩猟者でも楽しめます。というのは、狩猟の専門書や狩り・射撃シーンが出てくる小説などを読む際にも用語の意味を知っておくことで、さらに深くその世界を楽しむことができるようになるからです。

本書が狩猟者も非狩猟者にも役立つことを願っています。

(狩猟生活編集長・鈴木)