狩猟のためのナイフ考 PART3
シースナイフ
シースとは鞘のことで、ブレードが固定されているのがシースナイフである。ブレード後部がハンドル内の途中まで埋没している物をブラインドタン
グ、ハンドルを貫通し後端で固定されている物をナロータング、ブレードの後部そのものがハンドルを兼ねている物をフルタングと呼ぶ。
強度的にはフルタングが一番頑丈だが、握りやすさの点ではナロータングに軍配が上がる。ブラインドタングはハンドル内に小物の収納スペースを設けることが可能で、いわゆるサバイバルナイフなどがこれに相当するが、あまり実用的とはいえない。
シースナイフを選ぶうえで重要なのは、ナイフ自体にスキ間がないことと、シースが頑丈であることだ。ヒルトやハンドルとブレードの間にすき間があると、そこから水や獲物の血液が浸入して腐食を起こす。すき間なくすべてのパーツが完全に密着していることが、よいシースナイフの条件なのだ。
シースナイフを選ぶ際は、鞘であるシースにも気を配りたい。どんなによいナイフでも、収めるシースがヘナヘナでは使い物にならない。万が一、転倒した場合などを考えると、頑丈なシースでなければ危険なのである
※当記事は『狩猟生活』2017VOL.1「狩猟のためのナイフ考」の一部内容を修正・加筆して転載しています。
Profile
こぼり・だいすけ
27歳で散弾銃を所持し、その後、狩猟免許を取得。 第一種銃猟・わな猟・網猟と3種の狩猟免許を持つ。これまでに扱ったナイフは200本以上、所持した銃の合計は30丁と、豊富な知識と経験を活かし2013年からライターとして活動を開始。国内ではほぼ唯一の狩猟・銃・ナイフの専門ライターとして、狩猟専門誌などで執筆を続けている。現在、一般社団法人栃木県猟友会の事務局長を務める。趣味はオートバイ。共著に『狩猟用語事典』(山と溪谷社)がある