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「ジャムの旅」〜岡山編〜

旬の果物を現地で収穫後、すぐにジャムにして美味しさを閉じ込める
「ジャムの旅」。
収穫したての新鮮な美味しさを、いかに早く瓶に閉じ込めるか。
「世界一新鮮なジャム」を目指しております。

まだまだ夏の暑さが残る9月末、岡山県笠岡市のいちじく生産者「ブリガーデン」さんを訪ねました。

今回の素材は幻の黒いダイヤと呼ばれる「ビオレソリエス」
フランス原種の黒いちじくで、東京でもなかなか手に入らない大変希少ないちじくです。
1年前に視察に訪れてから、定期的に連絡を取り合い、今回ようやくの訪問となりました。1年長かった〜。めちゃくちゃ楽しみ!

岡山桃太郎空港(最近の空港はユニークな名前が多いな…)から車で1時間、岡山県笠岡市の「ブリガーデン」さんに到着。



農園があるのは笠岡湾干拓地と呼ばれる、もともとは海だった場所。
国が農業用地にするために約22年に渡って、干拓により陸地を作ったそうです。
野菜・果物の栽培の農業、乳牛や肉牛の酪農・畜産業が盛んです。
きれいに区画整備されているので、車で走っていても同じ景色が続き、何度も道に迷いました…。

迎えてくれたのは「ブリガーデン」代表の原田さんと、山下さんのお二人。
原田さんはダンディーなおじさま、山下さんはお話好きで好奇心旺盛な方。
二人とも会ったその日に大好きになりました。


僕の「農園でテント泊させてください!」というふざけたお願いにも、ノリノリでOKしてくれました。

原田さんの「ブリガーデンキャンプ場作ろうかな…」「ならここに芝生を植えて…」
山下さんの「ここにテント張ったら映えるんじゃない?」という二人の真剣な顔がとても面白くて、僕も嬉しくなりました。
来てよかった…。

いや、ジャム作りに来たんだった…。

到着後、さっそく果実の状態を見せていただきました。
あるある!いっぱい育ってる。やっと会えた。

見た目が黒いこの「ビオレソリエス」、一般的ないちじくよりも水分が少なく甘味が濃厚。適度に酸味もある。うん、ジャムにしたら美味しそうだ。



隣のハウスに移ると、これまた違う品種のいちじくもある。
「蓬莱柿」と書いて「ほうらいし」と呼ばれる白いちじくが、これも美味しそうに実っている。ガブリと頬張ると、ねっとりとした食感でまるでバナナや桃のようだ。

「これも美味しいですね!」

「ビオレソリエス」だけの予定でしたが、急遽「蓬莱柿」も使わせていただくことにしました。こういう思いがけない素材との出会いが、ジャムの旅では毎回起こる。だから楽しい。


暗くなる前に “映える“ 場所にテントを張り、明日の収穫に備える。
夜、テントの中でひとり、どういうジャムに仕立てようかとインスピレーションを働かせる。つもりが即爆睡…。気づいたら朝だった。

朝5時、テントを出て空を見上げると綺麗な朝焼けが。
アルコール燃料で火を沸かし、熱いコーヒーで目を覚ました。贅沢な時間です。

朝6時から原田さん、山下さんと一緒にいちじくの収穫開始。
熟したいちじくからは透明の蜜が垂れていて、直接手につくとベタベタになる。
松ヤニみたいなんです。洗ってもなかなか落ちない。
「手袋した方がいいよ」と山下さん。(最初に言ってくれよー)

40分くらいかけて、「ビオレソリエス」と「蓬莱柿」を収穫。
さっそく車に積み込み、すぐ近くの原田さん所有の加工場へ向けて出発。
ベトベトの手で車のハンドルもベタベタに。某Nレンタカーさん、すみません…。


朝7時過ぎからジャム作りスタート。

「ビオレソリエス」はスパイスで香りづけしたポートワインと一緒に煮込み、大人のジャムにしよう。黒い皮をそのまま使うと、深い赤色にジャムが染まる。
ヨーロッパで働いているときによく飲んだ、ヴァンショー(ホットワイン)のようなジャムだ。これからの寒い時期にぴったり。

「蓬莱柿」は丁寧に皮を除き、シンプルに砂糖とレモンでさっぱりと仕上げる。
きれいなピンク色の可愛いジャムが出来上がりました。
来る前はまったく考えていなかった「蓬莱柿」の魅力に気付かされました。
次回はこういう組み合わせにしよう、こういう香りを添えたらどうだろう、などと考えながら、ジャムを炊いている時間が幸せでした。
作業中、原田さんともたくさんお話ができました。
いちじく以外の岡山の食材のこと、いろいろ教えていただきました。
次回からの岡山の旅も楽しみです。


今回はスケジュールがタイトだったため、午前中にジャム作りを終え、午後には東京へ戻りました。もっとのんびり岡山を満喫したかったのですが…。

今回の「ジャムの旅」も素晴らしい素材、人、景色に出会えた印象深い旅となりました。
余韻に浸る間もなく、次は高知県への「ジャムの旅」です。
お楽しみに!

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