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「ジャムの旅」〜岩手編②〜

岩手県盛岡市「サンファーム」での2日目。
やはり楽しみすぎて朝5時に目が覚めた。テントを出たらすぐそこに旬の果実があるというのは、なんとも贅沢なことです。

「世界一新鮮なジャム」作るぞ!

朝食もそこそこにさっそくレッドカラントの収穫に入りました。
ラズベリーと同じくとても繊細な果実なので、収穫には気を使って。丁寧に、小さな実を落とさないように。

日本ではなかなかお目にかかれない、この宝石のような果実。
それが目の前にたくさん実っていることに、ずっと興奮していました。

「いや〜すごいわ!本当に綺麗だな〜‼︎

ずっと独り言を言いながら、ニヤニヤしていました。
(早朝だから誰も見てないしね)
これも1時間かけて2kgが精一杯。
摘み終わった果実を見てまたニヤニヤ。綺麗だな…。
(ちょっと気持ち悪いか⁉︎)


休む間もなく、次はサワーチェリーが実るビニールハウスの中へ。
深紅に輝くサワーチェリーは鳥たちの大好物でもあるんです。
ちょうど一番美味しくなった頃を見計らって、食べに来るんだそう。どうして分かるんだろう?頭がいいね。
逆に言えば、鳥たちに見つけてもらって食べてもらい、種を遠くまで運んでもらうために、果実は赤〜くなるんです。種の繁殖のため。こちらも頭がいいね。
1時間かけて8kgを収穫。果汁で手が真っ赤に染まった。でもいい香り!




朝7時過ぎ、すぐにジャム作りのため加工場へ。今回はサンファームの吉田さん自身がお持ちの加工場をお借りしました。果実の加工業もされているんです。本当に熱心な方だ。

【ラズベリーとアマゾンカカオのジャム】
昨日収穫したラズベリーは、ジャムの炊き上がりにアマゾンカカオを加えて、フルーティなカカオの香りをプラス。このアマゾンカカオは「アマゾン料理人」の太田哲雄氏からいただいたもの。ペルー奥地のカカオ村の支援をされている方です。

「カカオはフルーツなんです。」

彼のこの言葉に大変感銘を受けて、以来デザートやジャム作りに使わせてもらっています。木の幹に直接実をつけるカカオは、当然のことだけれど果物です。チョコレートの原料ということがあまりに有名で、果実のひとつということを忘れがちでした。
酸味がしっかりあって、フルーティな香りのこのカカオは、収穫したての甘酸っぱいラズベリーとの相性が抜群です!


【レッドカラントのジュレ】
レッドカラントは種と皮を丁寧に取り除いて、透き通ったジュレにしました。
果実自身が持っているペクチンの作用で、プルンとしたジュレになります。
パティシエはタルトやケーキの表面に塗ったり、クッキーにサンドしたりして使いますよ。本当に綺麗なジュレなんです。
ヨーグルトにかけたり、旬の桃やプラムにつけて食べても美味しいんですよ。
自分にとってはめちゃくちゃプレミアムなジュレが出来上がりました!


【サワーチェリーのコンポート】
サワーチェリーは種を取る作業が大変で、手が果汁で真っ赤に染まるんです。ちょっと怖いくらいに…。
チェリーはペクチン含有量が少ないため、濃度がつきにくい。それを利用してコンポートソースのように仕上げました。
アイスやかき氷にかけて食べてもらいたいですね。
ちょっとおしゃれにポークやラムのソテーに添えてもいいですね。レストランみたいに。


すべての作業が終わったのは午後5時半。収穫から約12時間で、旬の美味しさを閉じ込めることができました。
作業途中、生産者の吉田さんが頻繁に見に来てくれました。どうやって加工するのか、どういう味に仕上がっているのか、とても熱心に質問されていました。好奇心旺盛で勉強熱心。見習うことが多いです。

サンファームさんは毎年チェリー狩りをされていて、この時期は賑わうのですが、今年は花が咲くのが早く、その後寒の戻りで霜が降りたため、チェリーの収穫は例年の9割減だそうです。残念なことに今年のチェリー狩りは中止になりました。
大幅な収入減で大変な中、こうして私の活動に協力してくださり、本当に感謝です。
「ジャムの旅」はまだ小さな活動で、社会に影響力はありませんが、自分が発信することで、生産者や地域の魅力にみなさんの関心が集まり、活性化していけたらいいなと考えています。

まだまだ魅力がたっぷりの岩手県。これからどんな素材、生産者に出会えるのか楽しみです。今回も盛岡冷麺まで辿り着けず…。次回こそ食べたいです!


旬の美味しさを閉じ込めたジャムはこちらで購入できますよ。ご興味あれば是非!

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