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果物と砂糖の関係


パティシエという仕事をしていて、一番扱う機会が多い素材「砂糖」。

「ジャムの旅」を始めてあらためて深く考えるようになったので、自分がどう考えているのか整理してみようと思います。

お菓子やデザートを作る時は、様々なパーツのバランスを取りながら砂糖を使っていくので結構複雑です。最終的な1カットのお菓子、1皿のデザートとして仕上がったときの甘さをイメージするので。
ひとつひとつのバランスが良くても、合わせて食べると甘過ぎたり、物足りなかったり。

ジャム作りはどうだろう?
素材は果物と砂糖、単純ですね…(笑)
でもその分砂糖の役割は大きいですよ。

ちょっと勘違いされがちなのが、
「果物の風味を大事にしたいから、砂糖を減らして甘さ控えめにしよう」という考え。これ、逆です。

「果物の風味を大事にしたいから、砂糖をしっかり入れよう」

果物の風味を大事にしたいのなら、ある程度の砂糖は必要です。
果物に対して60〜100%の砂糖。
僕は入れます。

瓶詰めにしてある程度の期間常温保存するためには、60〜70%の糖度とph2.8〜3.6の酸が必要です。

果物に対して20〜30%の砂糖を加え、糖度60〜70%まで煮詰めるには、火にかけてから結構な時間がかかります。その間、果物本来の香り・色・酸味は失われ、結局甘さだけが際立ったジャムになってしまいます。

加熱時間を最小限に抑え、果物本来の風味を残すために、たっぷりの砂糖を入れるのです。

ただ糖度が高いからといって「甘さ」を強く感じる訳ではないのです。

やはりそのためには素材の見極めが必要になってきますよね。甘さとのバランスが取れる、酸味がしっかりした果物、品種を選びます。

果物そのもので食べると「酸っぱい!」と感じるようなもの。甘さもあるけど、その裏で酸味や渋みもしっかりと感じられるもの。こういった果物がジャムには適していると思います。すべてではないですが。

前回の「ジャムの旅」で使ったサワーチェリーは本当に酸っぱいし、ラズベリーはジューシーな甘さの中にもしっかりとした酸味があるし、レッドカラントも酸味の後に渋みがくる。

りんごを使うときも、生で食べても美味しい蜜の入ったりんごよりも、かじって顔をしかめるくらい酸っぱい紅玉だったり、酸っぱい中にも渋みがしっかりあって、草や土の香りがするグラニースミス(青りんご)の方が、しっかり砂糖を入れてジャムにした時に劇的に美味しくなります。

あとは果物に対してどれくらいの砂糖を加えるのか?加えるタイミングはいつか? 

砂糖の種類はどうだろう?

基本的にはグラニュー糖を使います。
果物の色も生かせるし、すっきりとした甘さに仕上がる。
「ジャムの旅」では、現地に着いたらまず地元のスーパーへ行きます。(イオンが便利!)
グラニュー糖なら簡単に手に入ります。

宮崎のスーパーでは砂糖の種類が多かったな。南国だからかな?
グラニュー糖以外にもきび砂糖や数種類の黒糖が並べてあって楽しかったです。

いつか砂糖の生産地にも行ってみたいです。砂糖から発想したジャム作りなんかも面白そう。

頭でイメージしたものを味として表現する。
それが楽しいです。

早く次の「旅」に出たい‼︎





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