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アラフォーが看護師辞めて起業したってよ



看護師を辞めたのが、39歳でした。


きっかけは弟の死


私は、ずっと、看護師が自分に向いてないのではと自問自答の日々を過ごしていました。


その反面、看護師のキャリアは順調に進んでいき、36歳の時に管理職を任されました。


その後は、実務と管理の両面から看護職の実績を積み重ねていき、部下にも恵まれ、充実した日々を送っていました。

順調と充実、この二つが揃っているのに、何が不満?何が不向き?と思われる人もいると思いますが、順調と充実が幸せとは限らないのです。


得意な事と好きな事は、似ている様で少し違います。


私は看護師という職業を得意としていましたが、決して好きではなかったのです。

好きな事を仕事に出来る人は、ほんの一握りの人です。

みんな、生活のため、家族のため、好きではない仕事を頑張っている人はたくさんいます。

それが普通だと思います。

私も同様に自分の家庭を守るため、3人の子供を守るため必死に仕事を頑張ってきました。


看護師を辞めたい気持ちはありましたが、流石に今の生活を壊して、家族に迷惑をかける可能性が大きい事と、家族を不安にさせる事への罪悪感から、辞める勇気はありませんでした。


しかし、あるきっかけから、事態は動きます。


弟の急死でした。


これには、流石に参りました。


考えてもいなかった事です。


通夜、葬儀などの為、かれこれ仕事を1週間休みました。


そして、休みが終わり、翌日はいざ仕事の日となった時に、急に、動機や手足の痺れが出てきました。


そして、仕事に行くと考えただけで、精神が不安定になってしまいました。


その後、心療内科を受診し、適応障害と診断されました。


そのため、そこから、更に1ヶ月間仕事を休むことになりました。


その休みの間に、私なりに何故仕事に行けなくなってしまったのかを考えました。


明確な理由は分かりませんが、一つ言えることは、『自分に嘘をつき、やりたくない仕事を無理して頑張ってたつけがきたんだな』という事です。


普段はそれでも構いません。みんな同じようなものです。みんなやりたくない仕事でも一生懸命に頑張ってます。


私だけが特別ではない


しかし、弟の死を受けて、精神的、肉体的ストレスから私の意思とは別の細胞レベルで身体が拒否反応を示したのだと感じました。


『仕事に行かないといけない』という思いと裏腹に身体がそれを許さなかった


多分、その拒否反応を無視して、看護師を無理に続けていたなら、多分私は身体を壊していたでしょう。


何故なら、弟の死の2、3年前から、仕事のストレスによって、動悸、不整脈、一過性の頻脈などに悩まされ、年に一回は救急車で運ばれていました。


身体を壊してまで、頑張る仕事


そこに本当の幸せがあるのでしょうか?


弟は死を通じて私にその事を教えてくれたのでしょう



以上の理由から、いきなり看護師を辞めて、新たに仕事を探して、働きはじめないといけなくなりました。


とは、いっても、いきなり看護師を辞めるのは、職場のみんなにとても大きな迷惑をかける事になります。


そのため、私が居なくなっても、職場のみんなが困らないように、約3ヶ月かけて、引き継ぎ等を行いました。


自分でも意外でしたが、辞めると職場に辞意を伝えてからは、職場に行く事が苦痛でなくなり、精神的にも落ち着いていました。


なので、3か月間みっちり引き継ぎを行うことができました。その事は最後のけじめとして、自分にとって、とても有意義な時間だったと思います。


前置きが長くなりましたが、私が看護師を辞めた経緯になります。


辞めたからには、新たに仕事を探さないといけません。


しかし、会社に雇われる事は、今の景気や私の年齢を考えると簡単ではありません。


しかも、看護師以外に何の取り柄もない私を雇ってくれる会社は多くはないと感じでいました。


また、とにかく、どこでもいいから働きたいという思考マインドに陥ってしまうと、好きな仕事ではなく、余り好きではない仕事につく可能性が大きく、せっかくの人生の一大決心である転職が全く意味をなさないものになってしまうと考えました。


結局、そのような気持ちで働いても、看護師時代と同様にストレスが生まれ、同じループに陥ってしまうと感じた私は決断しました。


自分が主体的に出来る仕事をしよう!


そこで起業を決心しました。
※厳密にいうと起業したのではなく、傾きかけた会社を引き継ぎました。自分的には起業した気持ちなので便宜上起業とします。


しかし、これは本当に大変な道のりで、簡単ではありませんでした。

でもやり甲斐においては、看護師をしていた時より、格段に上がり、今も充実した日々を過ごしています。


収入面では、起業当初は、年収は看護師時代の3分の2くらいまで落ちましたが、企業3年目にしてやっと看護師時代の年収と同じ位までになりました。


仕事の休みは、看護師時代は年100日くらいはあったと思いますが、起業してからは年20日程度と5分の1くらいに減りました。


従業員もまだいない状況ですが、今後雇える見込みが少し出てきました。


何より精神面ですが、起業してから格段に改善しました。体調不良は減り、毎日充実した日々を過ごしているせいか、元気に満ち溢れています。


起業には、いくつかのメリットとデメリットがあります。


ここで起業のメリットとデメリットを箇条書きで紹介していきます。


メリット

1、仕事が楽しくなった


2、働いた分お金になる

3、自由度が高い
※勤務形態や休みなど、誰に縛られる事なく自由に決めれる

4、社会の仕組みやルールを学ぶ事が出来る


5、お金の知識が向上する


デメリット

1、プライベートと仕事の境界が曖昧になるため休日が極端に減る

2、収益(収入)が不安定

3、経費が色々かかる

4、手続きが面倒(経理、労務等)

5、人材の確保が大変


もちろん起業は大変な事が多く、不安な部分も大きいですが、その分の見返りも大きいです。


なので、私は起業してよかったと思っています。


起業はただ働いて稼げばいいというものではなく、働く人の安全や権利を保証して、働きやすい環境を整える事や、正当な収入を計上し、正当な支出も計上した上で適正な申告から、税金の納付や或いは融資や補助金等の申請をしていく必要があります。


そのため、社会の仕組みやルールを学ぶ場でもあります。

その作業は煩雑で紛らわし事も多いですが、自分を社会人として成長させてくれる一面もあります。


起業して初めて、自分は如何に、今まで社会の仕組みを何も知らずに働いていた事を痛感させられました。


みなさんは今までの話しを聞いて、やっぱり大変そう、起業なんて無理かもと思われたかもしれませんが、好きな事を仕事にするのなら、大丈夫です。


絶対に乗り越えていけます


社会には、起業をした人を助けてくれる人や企業、団体、行政サービスなど様々あります。


1人では乗り越えられない壁も、周りの助けを借りれば乗り越えられます。


税の事がわからないければ、税務署や税理士に相談すればいいし、社会保険の事がわからなければ社会保険事務所や社会保険労務士に相談するなど、様々なサービスがあるので乗り越えらます。


後は、好きな仕事という原動力は無敵な活力源があなたのバイタリティとなり、様々な行動の後推しをしてくれます。


起業はお金を際限なく稼ぎたいから行うものだけではなく、自分らしく、健康に充実した日々を送るために、行うものでもあり、起業しても収入が必ず増えて、経済的に楽になるものではない事を理解していただけたら幸いです。




続いて、起業を行った先輩として、これから起業を行おうと考える方に私なりに伝えたい事があります。


起業は計画とビジョンがとても大事

いくら好きな事でも、闇雲にがむしゃらに頑張っても、成功は難しいと思います。

よくて5年、早ければ3年のうちに廃業に追い込まれるのがほとんどでしょう。

起業するからには、5年、10年後にどうなっていたいのかビジョンを描き、そのために必要な計画を立てる事が重要です。


例えば、ラーメン屋さんを行うにあたって、5年後に月収300万円を目指したと仮定します。

席数が10席、客単価、1000円、営業時間昼夜合わせて8時間、週6日稼働と設定したら

回転時間30分なら、1時間に最大20人のお客が見込めます。

1000円×20人で2万円


1日の稼働時間が8時間なので


2万円×8時間で16万円


週6日稼働なので


16万円×6日で72万円


1ヶ月、4週と仮定したら

72万円×4週で288万円


ほとんど達成しているから、大丈夫だと思った方は、失敗する可能性があります。


まず、見込み客は、一日中満席で滞りなく客が回転していると仮定していますが、よっぽどのラーメン屋でない限り、不可能に近い数字でしょう。


よくて、繁盛率はMAXの7割、普通は5割くらいでしょう。

そうなっただけで、収入は2分の1の144万円になります


ビジョンを見誤ると大変な事になります。


そのため、事前に収入に影響する要素を認識して、そこを伸ばすために必要な事について理解しておく必要があります。


具体的にいうと、営業時間や営業日は増やそう思っても際限があるため、難しいのが現状です。

1日は24時間だし、1月は30日です。

そのため、収入を増やすには、席数や回転数、客単価を上げるしかありません。


しかし、どちらも簡単ではありません。


そのために計画が必要になります。


例えば、客席は増やせないが、ある方法を使用すると、客数が増やせます。


それはテイクアウトや出前です。


客単価は普通に営業していれば増やせませんが、トッピングやサイドメニューなどの新商品を充実させていけば、少しずつ増やす事が可能です。


そして、それらの計画は、最初から行うのではなく、通常営業に限界を感じた際の起爆剤や切り札として、選択肢として持っておくだけでもいいのです。


想定して計画しておけば、いざという時にスムーズに対応できます。


ここで重要なのは、最悪を見据えたビジョンを想定しておき、そこに合わせた計画を練るのが重要です。



しかも、ビジョンは自分のお店の事だけで見据えれば良いというものではありません。


周りの環境や流行、景気などの経済状況など様々な要素を見据えたビジョンが必要になってきます。



周りのライバルはどうなっているのか?

自分の商圏は発展しているの?衰退しているの?

社会的に今後営業を行なっていく上で問題はないか?


など様々な要素を考えて先を見据えていく必要があると思います。


起業は自分主体なので、基本他者からのアドバイスなどありませんし、会社が上手くいくも、傾くのも自分次第です。

その分、自分の考えや思いを会社に反映し、それ実現しやすい側面があります。

そのためにビジョンや計画がとても重要になります

逆を言うと、ビジョンや計画のない事業程危ういもはないと考えています。


たまたま、時代とマッチしていた。たまたま知人が大口の取り引き先とパイプがあった、たまたま優秀な部下に恵まれたなと、運要素で上手く事が進んだ経営者もいるかもしれませんが、それは、ほんのひと握りの幸運の持ち主です。


せっかく起業を考え、行動したい方がいらっしゃるなら、是非とも成功して欲しいので、ビジョンと計画について話させていただきました。


最後になりますが、私にとっての起業はあくまで、自分らしく、健康に過ごすための手段であり、お金儲けだけの手段ではないという事です。


いくら、収入が減って、経済的に不安定でも、自分らしく生きれている今が幸せなのです。

逆にいくらお金があっても、精神的に肉体的に追い詰められては、幸せではないかも知れません。


私は今が幸せです。


それが起業して1番良かった事です。


起業についてもっと詳細に詳しく書こうと考えましたが、まずは自分の思いや行動を中心にと執筆させていただきました。


より具体的に知りたいとの声があれば、検討していきますので、その際はコメント宜しくお願いします。

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