2020年3月の外食web検索マーケット推移
3月のweb検索マーケット取りまとめました。現在もコロナの影響でかなり厳しい状態となっておりますが、正しく現状を理解するといったことも大切だと思いますので、客観的にデータ取りまとめています。
既にIT化の中でマーケットが変化しているタイミング+コロナといった想定外な事が起き、なかなか未来の変化が見えずらい所ですが、終息後に向けての準備として今できることを行っていった方がいいとは思います。
まずは、しっかりと情報を集め適切な判断ができるようにしていきましょう。
◎3月のTOPIC
・2月に引き続き、宴会関連ワードは低迷。途中楽観ムードで戻りかけたが、その反動で月末の落ち込みが激しくなるといった結果になった。
宴会関連5ワード(歓送迎会、宴会、パーティー、飲み放題、コース)合計での昨対は71%。
・繁華街4か所(渋谷、新宿、池袋、新橋)での『居酒屋+バル』ワードの合計ボリュームの昨対は、67%と飲み系業態が顕著に落ち込んでいる。
また、接待・ハレ需要も含んでいる『レストラン』ワードはさらに悪化しており、4エリア合計で昨対58%となっています。
ボリューム昨年対比 新宿 渋谷 池袋 新橋 4エリア合計
居酒屋 64% 81% 73% 52% 67%
イタリアン 67% 100% 63% 71% 76%
焼肉 76% 88% 89% 78% 83%
バル 67% 100% 114% 44% 79%
寿司 88% 87% 87% 71% 86%
5業態合計 72% 86% 82% 60% 76%
居酒屋+バル 64% 83% 77% 51% 68%
ボリューム昨年対比 新宿 渋谷 池袋 新橋 4エリア合計
ご飯 79% 92% 83% 43% 78%
ランチ 71% 72% 63% 83% 70%
カフェ 78% 83% 82% 80% 81%
レストラン 50% 70% 64% 60% 58%
4ワード合計 72% 80% 74% 75% 75%
・繁華街では年配層の割合の高いところの方が検索ボリュームの落ち込みが大きい。(若年層の多いエリアは、落ち込みの度合いが若干小さい)
・グルメ媒体系ワード(ぐるなび、食べログetc.)の検索ボリュームは大幅に落ち込んでいるが、SNS系ワードはこれまで通りのトレンドで上昇傾向。
ボリューム昨年対比 2020年2月 2020年3月
ぐるなび 83% 43%
食べログ 86% 69%
ホットペッパー 109% 75%
一休 93% 75%
4媒体合計 91% 69%
----------------------------------------------------
twitter 110% 141%
facebook 133% 133%
インスタグラム 120% 125%
3SNS合計 116% 133%
・デリバリー業態も2月比引き続き、大幅伸張。より身近なツールになってきている。
検索ボリューム 2020年3月 2020年3月 昨年対比
uber 18 34 189%
出前館 46 79 171%
マックデリバリー 59 71 120%
ファインダイン 2 2 100%
楽天デリバリー 8 9 113%
5ワード合計 133 195 147%
1.Googleトレンド推移 宴会系ワード:歓送迎会、宴会、パーティー、飲み放題、コース(2012/1/1~2020/3/31:東京都内:フード、ドリンク)
※下記グラフ中の●は2019年3月
ボリューム昨年対比 2020年2月 2020年3月
送別会 100% 20%
宴会 76% 31%
パーティー 92% 84%
飲み放題 94% 71%
コース 98% 83%
※4/2時のデータで算出。前月に出していたデータと若干数値に変化あります。
・先月と比較しても、宴会系ワードが大幅にダウン。先月落ち込みがまだ小さかった『パーティー』『飲み放題』『コース』も大幅ダウン
・都内における5つのワードの合計ボリュームでの昨年対比は71%
ただ、21日以前の楽観ムードの漂った時期も含まれているので、後半での落ち込みはかなりだったと予想されます。
2.Googleトレンド推移 ワード:居酒屋、イタリアン、焼肉、バル、寿司(2012/1/1~2020/3/31:全国、および東京都内:フード、ドリンク)
【上から地名指定なし、新宿、渋谷、池袋、新橋】グラフ中の●は2019年3月
※Googleトレンドは集計タイミングによって微妙にグラフが変わることがありますので、ご了承下さい。
・地域名をしてしない場合の東京都内でのボリュームの昨年対比は
ボリューム昨年対比 2020年2月 2020年3月
居酒屋 93% 64%
イタリアン 95% 77%
焼肉 125% 92%
バル 88% 56%
寿司 109% 87%
・2月には影響の出ていなかった焼肉や寿司も落ち込んでいます。後ほど下でも触れますが、特に繁華街での落ち込みが大きく、その影響が都内全体での検索ボリュームに影響を与えています。
・実際の影響は大きさは、繁華街での落ち込み大、住宅立地の落ち込み小だと思いますが、飲み需要に関しては立地限らず、大幅ダウンといった構造だと思います。
・繁華街での3月の検索ボリュームが大幅ダウン。渋谷、池袋は昨年新施設ができてからは、上昇トレンドでしたが、そちらを打ち消し下降しています。
・各エリアの各ワードの3月の検索ボリュームの昨年対比は下記のようになってます。
ボリューム昨年対比 新宿 渋谷 池袋 新橋 4エリア合計
居酒屋 64% 81% 73% 52% 67%
イタリアン 67% 100% 63% 71% 76%
焼肉 76% 88% 89% 78% 83%
バル 67% 100% 114% 44% 79%
寿司 88% 87% 87% 71% 86%
5業態合計 72% 86% 82% 60% 76%
居酒屋+バル 64% 83% 77% 51% 68%
・繁華街エリアの特性としては、年配層の多いエリアは落ち込みが多い。
(若年層の多いエリアは、落ち込みが低くなる傾向)
・業態では、飲み系(居酒屋・バル)が落ち込みが激しく4エリア合計で昨対67%。
3.Googleトレンド推移 ワード:居酒屋、ご飯、ランチ、カフェ、レストラン(2012/1/1~2020/3/31:東京都内:フード、ドリンク)
【上から地名指定なし、新宿、渋谷、池袋、新橋】グラフ中の●は2019年3月
・各ワードのボリュームの昨年対比は下記のようになります。
ボリューム昨年対比 新宿 渋谷 池袋 新橋 4エリア合計
ご飯 79% 92% 83% 43% 78%
ランチ 71% 72% 63% 83% 70%
カフェ 78% 83% 82% 80% 81%
レストラン 50% 70% 64% 60% 58%
4ワード合計 72% 80% 74% 75% 75%
・こちらのワードの中では、『レストラン』のワードが一番落ちています。
接待のシーンでの検索が含まれるワードなので、『宴会』同様に今回のコロナの影響をかなり受けているようです。
・『ランチ』ワードも大幅に落ちていることから、昼間人口がかなり減っていると思われます。20日以前の緩かった状況を考えると現在はもっと大幅に落ち込んでいるでしょう。
4.Googleトレンド推移 グルメ媒体系ワード:ぐるなび、ホットペッパー、食べログ、ホットペッパービューティー、一休、twitter、facebook、ツイッター、インスタグラム:2012/1/1~2020/3/31:東京:フード、ドリンク) ※グラフ中の●は2019年3月
※下記ホットペッパーはホットペッパーとホットペッパービューティーの差分、twitterはtwitterとツイッターの合計ボリュームになっています。
・媒体およびSNS関連の検索ボリュームの昨年対比は
ボリューム昨年対比 2020年2月 2020年3月
ぐるなび 83% 43%
食べログ 86% 69%
ホットペッパー 109% 75%
一休 93% 75%
4媒体合計 91% 69%
----------------------------------------------------
twitter 110% 141%
facebook 133% 133%
インスタグラム 120% 125%
3SNS合計 116% 133%
・グルメ媒体系ワードボリュームは落ち込んでいた2月よりもさらに大幅ダウン。4媒体の合計で見ても昨対69%。また、ボリュームとしては食べログが大幅に落ち込んでいます。(指標では、39→27と大幅減)
・一方SNS系ワードは、これまでのトレンドのままで増えていました。
今起きているJust Nowな情報という事でtwitterやinstagram、信頼できる実名の情報という事でfacebookが使われており、こんな状況だからこそ、よりリアルな生の情報が欲しいという事で、使われているのだと思われます。
5.Googleトレンド推移 デリバリー系ワード:uber、出前館、マックデリバリー、楽天デリバリー、dデリバリー)(2012/1/1~2020/3/31、東京:フード、ドリンク)※グラフ中の●は2019年3月
・直近のトレンドで伸びていたuber、出前館、マックデリバリーがさらに伸ばしてきています。
・昨年対比では、
検索ボリューム 2020年3月 2020年3月 昨年対比
uber 18 34 189%
出前館 46 79 171%
マックデリバリー 59 71 120%
ファインダイン 2 2 100%
楽天デリバリー 8 9 113%
5ワード合計 133 195 147%
と大幅に検索ボリュームがアップしています。特に出前館、uberは大幅に伸びてきています。こちらの5ワードの合計では約1.5倍くらいになっています。
・今回のコロナの影響でデリバリーの利用がより幅広く、身近になっていくと思われます。
・また、『テイクアウト』『持ち帰り』のワードも伸びています。(下記参照)
6.その他2020年3月度検索関連TOPIC
・Google
①Googleマップに投稿される写真と動画が公開前に事前審査されるように
※ コンテンツのポリシーに加えて 、各フォーマットに適用される要件があるのでこちらも併せて確認してください。違反で自店舗ページが上がらなくなることあります。
https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7411351?hl=ja
上記のポリシー変更で今後投稿する際に気を付けて頂きたいことがあります。詳細は読んでいただければと思うのですが、引っかかりやすい項目を下記にあげておきます。
・スタイルの調整(フィルタの適用など)は、枠線やテキスト、コラージュ画像などの要素を追加しない最小限の変更に限って認められます。
→簡単に言うと投稿する写真に文字を入れたり、絵を書き込んだりしてはいけない。という事になります。これまではかなり見過ごされていたのですが、今後は投稿を却下されたり、何度も繰り返すとそのアカウント自体を無効にされるという事が起きます。
・クチコミを宣伝目的で使用しないでください。たとえば、メールアドレス、電話番号、ソーシャル メディア リンク、他のウェブサイトへのリンクをクチコミに含めることはできません。
→コメント返信の所に上記のような外部リンクを貼ると規約違反なるという事です。
②全サイトを2020年9月にMFIに強制移行します。
ちょっと聞きなれないかと思いますが、MFI=Mobile First Indexとは、
簡単に言うとGoogleがページを読み込む際にPC用とモバイル用のページがあった際にモバイル用ページの内容を優先して読み込んで評価するという事です。これまではも場合によってはPC用のページも見てくれていましたが、今年の9月からは、モバイル用のページしか見て評価しませんという事です。
自社ホームページを持たれている店舗さんは、モバイル(スマホ)
から見た際に使いやすいページになっているか?チェックしておきましょう。
・写真や文字が小さくて見づらくないですか?
・ボタンが小さかったり、隣接していて押しづらくないですか?
・ユーザーから見たときに、サイトの作りが分かりづらくないですか?
・ページの読み込みは遅くないですか?
etc.
自社の物が心配な方は、下記のサイト等でで調べてみましょう。
・モバイルフレンドリーテスト
・Mobile First Index Checker
・ぐるなび
トップページのリニューアルを3/31に行っています。
https://corporate.gnavi.co.jp/release/2020/20200331-019287.html
ただ、今月のレポートでも記載していますが、すでに『ぐるなび』が検索されなくなっている今、トップページを変えたところでアクセス数が増えることはなりでしょう。
・食べログ
特にトピックはありませんが、日経ビジネスでかなり取り上げられています。
・食べログを信用しますか? やらせ依頼の全文掲載
・公取委がグルメサイト調査「利用者の9割が実態知らず」
こちら以外にも有料記事でかなり書かれていますので、ネットリテラシーのそれほど高くない年配層も食べログの信頼性を疑うようになってきているかと思います。すでにそういった層はgoogleマイビジネスを見たりするようになってきています。
7.飲食店の利用できる助成金
いくつか飲食店でも利用できる助成金をまとめたサイトがありましたので、共有します。
・飲食店が活用できる新型コロナウイルス関連の「補助金・助成金」は?
・【速報】新型コロナ関連の企業融資・補助金・助成金まとめ※追加中
・【コロナ対策】補助金・助成金など、飲食店がチェックしておきたい対策まとめ
8.Googleトレンド 飲食関連ワード推移(東京以外)
参考:主要エリアのGoogleトレンド推移の資料も添付しておきます。
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