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新しいヘーゲル

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新しいヘーゲル(長谷川宏)を読解し、近代哲学を批判的に検証します。
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新しいヘーゲル (4)

新しいヘーゲル (4)

第5章 近代とはどういう時代か この章では、ヘーゲル の「歴史哲学」の内容が紹介され、弁証法的な思考の発展過程が、今度は歴史的な側面から説明される。

 宗教改革、啓蒙思想、フランス革命だ。

 「すべての特殊な内容が動揺にさらされ、悪が善に、善が悪に転化する弁証法運動のなかで、最後に残るのは、内面性の純粋な活動、精神の抽象運動ーつまり、思考に他なりません」(p148)

 ルターの宗教改革は、「

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新しいヘーゲル (3)

新しいヘーゲル (3)

第4章 人類の叡智(続き) この章では、ヘーゲル の3体系、つまり、論理学、自然学、精神学のうち、精神学について解説される。

 精神学についての解説は、芸術、宗教、学問の順で述べられる。

 ヘーゲル は、これらを人間活動の最高位と名付ける。

 まずは、芸術について。

 「芸術作品は、芸術家個人によって作られるものでありながら、そこに同時に時代の共同精神が込められることによってこそ、真に芸術

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新しいヘーゲル (1)

新しいヘーゲル (1)

書籍情報講談社現代新書「新しいヘーゲル 」(長谷川宏著、講談社現代新書、第1版16刷)

現代にヘーゲル を生かすという視点から、ヘーゲル をわかりやすく解説したことで定評のある長谷川氏の入門書を読んでいきます。

太字の部分が要約で、細字の部分が私の見解です。

太字の部分だけ読んでいただけば、簡単な要約をお楽しみいただけます。

無論、140年前に同じことをしたマルクス主義の成果も取り入れてい

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新しいヘーゲル (2)

新しいヘーゲル (2)

書籍紹介講談社現代新書「新しいヘーゲル 」(長谷川宏著、講談社現代新書、第1版16刷)

現代にヘーゲル を生かすという視点から、ヘーゲル をわかりやすく解説したことで定評のある長谷川氏の入門書を読んでいきます。

太字の部分が要約で、細字の部分が私の見解です。

太字の部分だけ読んでいただけば、簡単な要約をお楽しみいただけます。

140年前に同じことをしたマルクス主義の成果も取り入れています。

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