短詩集 2024.5.16
夜の雨音
夜の雨音はせつなく
私の心に迫り来る
独り私は横になりつつ
恋人の肌のぬくもりを思い出す…
夜の雨音 II
雨音が 時折ショパンの
ピアノ曲を想わせる いとしい音に
聞こえてくる時がある
私はレコードをかける
ショパンのワルツがひびきだす
眠られぬ夜
眠られぬ夜の長さよ
私は夢中でペンを走らせる
物思いにしずむことのないように
急ぐように 夢中でペンを走らせている
残った祈り
時に自分が無力に感じ
そんな自分に対して怒る時がある
怒りが鎮まって━━後に残るのは
ただひとつ 祈ることだけだった
Untitled
みなの心を平静に
保たせることが出来たなら
私は 私にまつわる人々を愛している
たとえ誰かが 私を愛さなくても
終曲
日々の疲れに拠って
もう何も喋ることができなくなったとしても
それでも私は詩をつくる
これが私の使命であるから
そしてそれを 私は私自身に
信じているから
(2024.5.16)